2 サクセンケッコウ
放って置いても、日々は過ぎていく。
今日俺はある決心をしていた。
ちょうど原稿も一段落しているとこだし。
酒を飲みながら土方が来るのを待つ。
「おっかえりっ」
「なんだてめぇ、飲んでんのか」
「美味しいお酒もらっちゃってさあ〜味見してたらついつい」
ほんとに酔った振りをするだけだったのに、勢いつけてるうちに、ただの酔っ払いになってしまった。
「土方ものむぅ〜?」
多少舌をもつれさせながら聞く。
「やめとく。んなもん飲んだら明日の会議遅れちまうからよ」
答えはつれない。
前なら朝まででも付き合ってくれたのに。
前なら、今までは、あの時は、初めは。
言い出したらきりがない。
きりがないけど、比べてしまう哀しい自分がいる。
「明日も早いの?」
「ああ。だからシャワーしたら先に寝かしてもらうかんな」
「んー。わかったぁ」
土方はネクタイを解き、風呂場へ向かう。
俺はというと、名付けて、ベッドで待ってるよ♪作戦を決行すべく、布団に潜り込み土方を待つことにした。
しばらくすると、風呂場のドアが開き、リビングに出てくる気配がした。
「あれ?、どこいっちまったんだ、あいつ」
何やらぶつぶつ話す声が聞こえる。
ドライヤーで髪を乾かす音がし、しばらくして寝室のドアが開いた。
「寝てんのか?」
その問いには答えず寝たふりをする。
静かにしていると、いつも通り布団に入り、背を向け寝始めた。
今日はそうはいかないかんな。
布団の中でニヤリと笑い、土方の背中にピタリとくっつく。
Tシャツとパンツ一枚で寝てる土方は襲いやすい。ピッタリしたボクサーパンツの上から、まだ柔らかいソレを撫でるようにさわる。
「おい。なにやってんだ」
「なにって。エッチなこと」
「悪ィいがそんな元気ねぇ」
「えー、だって銀さん、最近イイコトなくて欲求不満だよ−?どこで発散すりゃいいのぉ。だいぶムラムラしてんすけどぉ」
酒にまかせて不満ぶつけてみる。
「テメェのムラムラなんざ知るか!こちとら残業続きで疲れてんだよ!また今度にしてくれ」
あー、言い方、間違えちまったかなあ。
でも負けない!
「いいんですかぁ、そんなこと言っちゃってぇ。そんなつめたいことばっかりいってたら、銀さんどうなるかわかんないよぉ」
ちょっと本気混ざる。
「どうなるっつーんだよ」
「さあね−。だから、シヨ。」
ニッコリ微笑みながら土方と視線を合わす。
「そんなにしてーんなら、テメェでやる気にさせるんだな」
ふん。最初っからそんつもりだもんね。
題して『土方襲ってその気にさせよう作戦』‥‥‥作戦ばっかりだな、オイ。
パンツをずりさげ、息子さんとコンニチワする。
チュッと軽く口づけると、ピクンと動いた。
愛おしげに、持ってるテクを駆使して頑張る。
「くっ‥‥‥オイ‥」
髪に絡められた指に力が入ってる。
そろそろ、かな?
行為に勢いをつけ、吸い上げながら土方のを上下に責める。
「ふっ‥‥!くっ!」
頭を押し付けられ、口の中に苦いものが流れ込んで来た。
押さえ付けられた勢いにゲホゲホッとむせながらも、口のなかの液体を喉に流しいれる。
周りに付いてるものも綺麗に舐めとり、完了。
「気持ちよかった??」
頑張った分、ご褒美をくれと言わんばかりに、嬉々として土方の顔を仰ぐ。
‥‥‥‥‥が。
「あ、あれぇ??」
土方の顔を見ると、寝息をたてて目をつむっている。
「ひ、ひじかたくーん?おーい」
声をかけるが反応はない。
−−−作戦失敗。
この状態で起こすと、また怒られるのは目に見えている。
きっとすごく疲れてたんだ。
そうに違いない。
作戦決行日を間違えたんだな。
そう言い聞かせ、無理にでも自分を納得させる。
「でも‥‥‥これ、どうしよ、か」
すっかり興奮して立ち上がっている自分のモノを眺める。
「出すしか、ないよなぁ」
小さく小さく呟き、はあと溜息を一つ残して、ティッシュを抱えて隣の部屋へのドアを開けた。
土方の、バカ。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!