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やっと銀時を見つけたと思ったらいきなり倒れやがった。
ったく、飲み過ぎかあ?
本当は今日は屯所に帰って来るつもるはなかったのに逆戻り。
目立ちすぎる隊服でその辺のホテルに入るわけにもいかず、コイツを担いで帰ってきたってぇわけだ。
もちろん、人払いは済ませてあるし、万事屋に一仕事頼んだと言えば何も言ってくるやつはいなかった。
結局銀時が寝ている間、こうしてやってもやってもたまる書類の整理でもするかってんで仕事に逆戻りってわけだ。
チャキッと微かにした音に背中に寝ているはずの振り返れば、刀の切っ先が喉を掠め、壁に突き刺さった。
「テメェ、何しやがるっ」
「邪魔なんだよね、お前」
「はあ?何言ってやがんだ。取りあえずその刀、離せ」
「刀を離す?馬鹿言うんじゃねぇよ、今からこの刀でお前を消そうっていうのに離すわけないだろ」
オイオイ、本気かよ。
壁から抜いた刀を構え、殺気を放ちながらこちらを睨みつけてくる紅い瞳。
相手は刀持ち。
俺は丸腰。
さあ、どうする。
つうか、この状況がいったいなんなんだ。
「んだよ。そりゃここんとこ仕事が忙しくてお前のことほったらかしににしてたのは悪ィけどよ、そんな怒んなくてもいいだろうがっ」
「んなこたぁ、俺にゃあ関係ねぇ。お前がいたら、コイツはダメになんだよ」
「お前‥‥‥誰だ」
何かが違う。
銀時であるはずなのに、違う。
「俺?俺は‥‥坂田銀時だっつうのぉ!」
「くそっ」
切り掛かってくる銀の刃をすんでのところでかわし、その腕を掴む。
銀時の持っているのは俺の刀。
まさか、妖刀に?
いや、有り得ねぇ。
妖刀の呪いは解けたはずだ。それに呪われたならヘタレになってるはず。
じゃあ、じゃあ、目の前にいんのは誰だよ。
コイツの言うとおり、銀時本人なのか?
「どうしたんだよ、なにがあった」
「うるさいんだよぉッッ」
握っていた腕ごと畳みに叩き付けられ首元を締め付けられる。
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