18 ケガレタカラダ(※伊×銀) 「やめっ、どこ触ってんだ、この変態!なにすんだよ」 「おやおや、今から何が始まるなんて経験値の高そうな君ならわかりきってることでないのかい」 下半身を弄ってくる手を止めながら、睨みつけても楽しそうな顔をされるだけ。 おまけに酒を飲んでて力は入らないし、車のドアは開かない。 あまりの状況に眩暈がした。 「んんっっ」 押し付けられた唇、入り込んできた舌に嫌悪感を抱き噛み付くと、鉄錆の味が口の中に広がり、胃をキュッと刺激する。 「つッ‥‥いい加減、諦めたまえ。君の献身的な心が土方を傷付けずにすむのだぞ。大人しく私のいうとおりにしたまえ。‥‥‥まあ、反抗的な君を組み伏せるのも楽しいがね、しかしながら今は屈辱に塗れながら大人しく抱かれる君が見たいのだよ」 眼鏡を指で押し上げ、口角を上げて笑う姿は残忍な目つきで背筋がゾクリとする。 「趣味悪すぎだな、お前‥‥」 厭らしい笑みを浮かべる伊東に吐き気がする。 本当に土方はこんな男に身を任せたのだろうか? しかも、自分の為に? 納得がいかないが嘘という確証もない。 「さあ、坂田くん。どうするんだい?最後まで反抗しながら僕に犯されてしかも土方まで苦しめるか、それとも嫌々ながらも一度くらい身を任せ土方とやり直すチャンスを得るか?‥‥‥どちらがいい」 「‥‥‥ちょっと待てよ。それって俺、どっち選んでもお前にやられてんじゃん」 「おやおや、今頃気づいたのかい?フフ‥‥その通りだ。君が賢ければどちらがよいか、わかるだろう?」 どこまでも嫌な奴だ。 んなの、最初から選択権はないようなもんじゃねーか。 くそっ。 今日だけで何度もかになるかわからない言葉を心の中で吐き出し、決めた。 「したいなら、すれば。‥‥‥‥そのかわり、土方にゃあなんもしねぇって約束しろよ」 「ふむ、そうきたわけか。まあ、いい。約束は守るほうだよ僕は」 「その言葉、忘れんじゃねぇぞ」 そうして俺は伊東に抱かれた。 感じないようにしてはいても、相手も大概趣味が悪く的確なところをツイてきた。 おまけに。 「犯されてる感じがするほうがいいだろう?」 といい、シートを倒され、上に伸し掛かられ動きを封じられる。 体中を撫で回され、対して馴らしてもいないソコへ突っ込まれガンガン揺すられれば、出血するのは当たり前で。 痛みに頭がチカチカしてると、そのうちには血で滑りがよくなったモノに不覚にも感じてしまい、最後には喘ぎ声を出し果てた。 「君は酷くされるほうが感じるのかな」 伊東の馬鹿な台詞を頭の隅で聞きながら、自分の体に嫌悪する。 浅ましい、快楽に弱い俺の体。 伊東にされる前に、もう汚れきっている、快楽に身を浸していた汚い体は心のない行為にさえ反応した。 「また今度」 そういって俺をマンションの前で降ろした伊東は、紙切れを握らせ、何事もなかったように走り去って行った。 ことが終わった後、口を開く気力もない俺は冷めた目でそれを眺め、紙切れを広げた。 −−−−紙には、病院の名前と病室番号が書いてあった。 目の前が、滲んだ。 ぐちゃぐちゃな俺には、なんで出た涙かなんてわからなかった。 ただ、自分の身体が汚く思えてしょうがなかった−−−。 20090925 [*前へ][次へ#] [戻る] |