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「ほんと、だ」
ゴクリ、と唾を飲み込む。
さっきまで絶対無理と思っていたものが、今では自分の中で息づいている。
「土方の、すっげえ熱い‥」
「お前の中だって熱くてとけそうだ」
重なる肌、首元に土方の髪がさらさらとあたってくすぐったい。
「ふっ‥」
「くっっ、オイコラ、これ以上絞めんじゃねェよ」
近くには土方の熱い息と苦しそうな顔。
「な、もう動いていいか」
掠れた声に、いいよと返事を返してしまう。
ゆるゆると動き出すと、内臓を押し上げられているようで、気持ちが悪い。
気持ちが悪い、のに。
少し抜け出て、突き上げられた瞬間、ビリッと電気が走ったようにのけ反った。
「あッッッ」
「気持ち、いいのか」
そういいながら、その場所をズンズンと突き上げてくる。
「う‥ん、なんか、わ、かんないけど、スゲイイッ」
快感を追い掛けてみたくて、もっとして、とねだる。
「ばっ、お前、ホントに初めてか?その目、ヤベーだろ」
土方が何をいってるかさえわからなくなり、俺の口からは嬌声がたえず零れる。
「あ‥ああっ、ひじかった、も、ダメだって、俺、もうイッちゃう」
「俺も、もう我慢きかねぇ」
俺の張り詰めたモノが手でヌチャヌチャと擦られ、より奥深くに土方のを穿たれる。体の奥に熱いモノを感じるとほぼ同時に、俺も自分の胸にむかって飛沫を飛ばしていた。
汗をポタポタと流しながら倒れ込んでくる土方を抱きしめる。
すごく、愛しいと思った。
ああ、そっか。
おれ、コイツのこととっくに好きになってたのかも。
街にでると捜してしまうのは俺も一緒。
そこからもう始まってたのかも。
でも不安。
これが夢で終わったらどうしよう。
「ね、土方。明日、目が覚めても今のことちゃんと覚えてるかな?」
「あー?なにいってんだよ。覚えてるに決まってんだろうが」
「ほんと?でもお互い酔っ払いだし」
「ばーか。こちとら最初からんな酔っ払ってねーっつーの」
「え?だって結構飲んでたじゃん。いつもならベロンベロンでしょ」
「‥‥お前、夏だからってチャック下げすぎなんだよ。その、ゴホン、肌が見えすぎて緊張して酔えなかったんだよ」
「‥‥‥土方、やらしー。何?それって中二病?」
ニヤニヤ笑いながらからかう。
「!うっせぇ、んなわけだから、昨日見たいに開けすぎんじゃねーぞ。見ていいのは俺だけだ」
「‥‥‥‥結構、独占欲強そだね」
「誰にも渡したくねーからな」
真顔でいう土方の言葉に目が丸くなる。
恋愛には冷めてるほうかと思ってたのに、以外。
なんか、明日になったらなかったことにしようなんていわれるのかな、なんてのは余計な考えだったみたい。
「んじゃ、今日から俺達、恋人ってやつかな?」
「かな?じゃなくて、恋人だ」
それははじまりの一歩。
二人の時が重なった大事な一歩。
20090714
→あとがき
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