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えーと。

えーと?

飲んでて、風呂入ろうってなって?

気付いた時には沖田くんに口塞がれてて。

って‥‥えぇ〜〜?
っつか、あれってキスぅ?なんで沖田くんが俺にキス??

‥‥‥いや。
今は考えないことにしよう。
その前に、目の前の人がなにやら恐ろしいオーラを発してる気がする。胡座をかいてキツイ目をして座ってる男の前で、叱られた子供みたいに正座している俺。


「あ、あのぉ、土方?」

「なんだ」


うわっ完全に瞳孔開ききってるよ、土方。まだ酔いがまわってるけど、ちょっと頭覚まさなきゃ。


「こ、この部屋ってなに。すげぇ、いい部屋じゃね?なんかもしかして一人で使ってんの」


でてきた言葉は意味不明。とりあえず、しゃべんなきゃと思ったら、そんな言葉が出て来てしまった。


「そりゃあ一応、責任者だからな。機密的なこともあるし、ほかのもんと一緒な部屋って言うわけにはいかねーんだよ」


そういって煙草に火を付ける。
フーッと煙りを吐いてから真近に端正な顔が迫って来た。


「それよりお前は、あんなとこで何してたんだよ。あ?」

「え?いやあ、俺らはただたんに風呂で月見酒でもしようかって話になって」


なんだか迫力のある土方に冷や汗がでてくる。悪いことしたわけでもないのに‥‥あ、ちょっとなんかあったけど。


「ほーう、月見酒ねぇ。総悟と二人っきりで?」

すっげえなんか、からまれてる言い方。流石にいい加減、銀さんカチーンときちゃうからね。


「んだよ。別にやましいことがあるわけでもあるまいし、風呂に行って何が悪ィんだよ。あれだろ?ここは温泉だよね。それとも何か?お前ェらの旅行に付き合ったからって、風呂に入る許可までいちいちいんのか?真選組ってなあ、ちっちゃな器だなあ、オイ」

「何だと!誰がテメェらの金出してやってると思ってんだ!!どこがちっちゃいってんだ!いってみろや!」

「なんだよ!だいたいお前なんかな!コンパニオン相手にニコニコしやがって!いつの間にか消えてるしっ!こんなとこ‥‥‥こんなとこ、こなきゃよかったっっ!!!」


酒が入ってたせいもあって、涙がぽろぽろとこぼれてきた。
なんだってんだよ。
こんな言い合いになるくらいなら神楽と新八には悪いけど断っておけばよかった。


「‥‥‥部屋、帰る」

「待てよ」


ぱしっと腕を掴まれたかと思ったら、次にはくるりと土方の方をむかされ、その腕の中にすっぽりと収まっていた。


「悪かったよ‥‥総悟と二人で服が乱れてるお前みたらよ、つい頭に血が上ってよ」


俺の肩に頭をのせて、はあと溜息をつく。


「俺‥‥だって、こんな、ケンカしたくて来たんじゃない‥」

「俺もだ。ったくよ、わざわざ自腹切っていい部屋取って。お前とゆっくりしようと思ってたんにな」

「そう、なの?」

「たりめーだ。俺らは滅多に江戸離れるわけにはいかないからな。これでも今日はお前が一緒だってんで、寝れもしなかったんだぜ」

「んじゃさ、仲直り、する?」


コツン、と額を合わせ、上目遣いで土方を見る。


「ああ」

「ん。俺も‥‥ごめん。仲直りの、ちゅうしてもい?」


そう言ったら、土方のほうから先にキスをしてきた。
最初は触れるだけの。
二回目は口を啄み、徐々に深くなってくるエロいキス。


「ね、土方‥‥」


キスだけで感じすぎちゃってる俺はやっぱり酒のせい?


「あっち、いこうか」


指さしたのは綺麗に用意された布団。
ちょっと顔が赤くなった土方。
今からほんとの甘い時間。



→※次頁はエロですよ。

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