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「わあ!なかなかいい旅館じゃないですかぁ。ねぇ、銀さん」
「流石だねぇ。いつぞやのスタンド温泉とは雲泥の差だな」
「銀ちゃーん、早く来るアル!こっち入口あるよ」
いつになくはしゃいでいる神楽。
俺ら、万屋は今しばしの休憩として、温泉に来ていた。
え?家賃も払ってないのによくそんなとこに行けるな?
フフフ、それはあれだ。
ちゃーんとした理由が、ある。
「慰安旅行〜〜〜?なにそれ。おたくらいっつも忙しいのにそんなのあるの?」
「一応な。まあいっぺんに行くこたあ出来ねぇから、十班くらいに分けてあるし、近場だけどな」
昼間に隊服のままやってきたと思ったらいきなりの旅行話。
「んでぇ?それが俺に何関係あんですかぁ?何?お土産なにがいい、とか相談にでも来た訳?」
もうなんだか話しを聞いてんのも面倒くせぇ。
ほんと俺になんか関係あんの、それ。
「いや、ちげぇよ。それでだな‥‥オメェらには世話になってることが多いってんで。今回は一緒に行かないかって話しになってんだよ」
視線をそらしながら話す土方は怪しげだが。
話した内容は美味しい話。
「えぇぇぇぇ!!マジでかっ!俺達、行っていいの?行っとくけど金なんて全然ねぇよ?一文も払わなくて大丈夫?」
「あぁ。但し万事屋で一部屋だけどいいか」
「すっげぇ!いい、いい!全然大丈夫だから!いやあ、金にならないこともしとくもんだねぇ。ほら。やっぱ俺らもたまにはのんびりしないとねぇ。いいねぇ、温泉!風呂入ってぇ、メシたべてぇ、酒飲んでぇ。上げ膳、据え膳ってやつだろ」
すっかり浮かれてしまった俺はニヤリと笑った土方なんぞ目に入っちゃあいなかった。
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