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そう言えば、優しく微笑む万斉。

そうして今度は軽く触れるだけのキス。


「そろそろ行こう、晋助」


俺に向かって伸ばされた手。

今度は素直にその手を取ると、指を絡めてしっかりと握りしめられた。


「晋助、拙者、晋助に対しては自制心が無いらしい。ここ数日で自分に独占欲というものがあると思い知った」

「万斉が‥‥独占欲?」

「晋助が拙者には冷たい態度なのに、坂田や土方らと楽しそうにしてるのを見ると、晋助を誰にも会えない場所に監禁しておきたい気分だった」

「はぁ?そりゃ嫌味言い合ってただけだろうが」

「いや。あやつらといる時の晋助はイキイキとしている」

「いや、だから違うって」

「そうは見えん」


あまりの強情っぷりにプッと笑い出す。
万斉のこんなとこなんて、初めて見た。


「何故笑う」

「や、俺、好かれてんのかなってな」

「かな、ではなく好きだと言ってるではないか。晋助はうたぐり深いでござるな。よし、明日から晋助が納得するまで毎日好きと言うでござる」

「や‥‥‥‥それは、ちょっと」

「何故そこで引く?拙者、晋助相手なら、百回でも千回でも、いや百万回でも愛を囁く自信はあるでござる」


‥‥‥何か方向性が間違ってる気がするのは俺だけか?


「万斉」


こちらを向いた万斉の首に繋いでない方の腕をかけ、その顔を手繰り寄せチュッと唇にキスする。


「言葉はいいから態度で示せよ」

「わかったでござる。百万回、いやそれ以上晋助とキスするでござるよ」


そうやって万斉からのキス。

それでもなんか違うと思うけど。
こんな万斉を見るのも悪くはない。





ああ、これで今日だけでもう四回目‥‥





この調子だと百万まであとどんくらいなんだろう、なんて本気で考えてる俺は、すっかり万斉の言うことにのせられている。
すっかりハマった恋の病に頭は乙女思考。
自分で自分が笑えてくるほど情けねぇ、俺。

しょうがねぇじゃんか、好きなんだから。





百万回でも何でもいい。





して。





お前の甘いキス。



20091002


→あとがき

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あきゅろす。
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