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なに‥‥‥これって、もしかして。
キス?
初めての感触に息継ぎさえどうすればいいのかわからないまま、 その感覚に翻弄される。
万斉に口づけられているという認識をしたことで、体の体温が一気に上昇し、口内に入り込む熱で溶かされるようだ。
「んっ‥」
チュッと最後に軽く音をたてて離れていったときには、 半ば万斉にしがみつく形をとっていた。
「な、んで」
ハアハアと息を整えながら万斉を見ると、その顔が近付いてきて、片方しかない目から流れている涙を掬い取る。
「万斉?」
「全く。晋助はすぐ人の話しを聞かずに突っ走る。悪い癖でござるよ」
そう言って胸にギュッと抱き込まれ、頭をポンポンされる。
「それってどうゆう?」
「‥‥‥極度の鈍さでござるな。ま、そんなところもかわいいでござるが」
「おまっ男に向かってかわいいとかっ」
「かわいいでござるよ。かわいい、かわいい。‥‥‥‥好きでござるよ」
「へ?」
「晋助が好きでござる」
「で、でもおめぇのタイプとは掛け離れて‥‥」
「わがままでも、独占欲強くても、捻くれてても。そんな素の晋助が好きでござる」
「捻くれてるは余計だ。‥‥‥本当にいいのか、俺で。男だし」
「随分と自信なげなことを言う。晋助らしくないでござるな」
好きな奴には誰だって臆病になんだろうがよ。
「てめぇにだけだ」
「晋助‥‥‥あまりかわいいことを言うでない。我慢が出来なくなる」
「?何が?」
何のことかわからずにそう言ったら、腰にグイッと押し付けられた堅いモノ‥‥‥
一瞬、固まったが、認識すると顔がカァーッと火照る。
「えっ、マジかよ」
「マジでござるよ、こうなるくらい好きだから安心するでござる。拙者、普段の晋助が良いのだから変に無理しなくともよい」
「万斉‥‥‥俺も、好き」
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