ヘタレ攻め、進んでません


ゆずる:あの、前柴先輩。

前柴 :どうした、ゆずる?

ゆずる:さなげさんが「ヘタレ攻め、進んでません」って、言ってますけど。

前柴 :ああ、そうみたいだな。

ゆずる:相変わらず、他人事みたいに言いますね。このままだと約束の2013年、終わっちゃいますよ? 俺達結局、今年も出番なしなんじゃあ!?

前柴 :そうは言ってもなあ。『My sweet baby』の小笠原の話も、そろそろクライマックスを迎えるみたいだし、催促するのはなんだか悪いような気がしてな。

ゆずる:あ、そうでしたね…… あの人、失恋しちゃうんでしたっけ…… その点、俺はこうして前柴先輩と両想いになれたんだし、幸せですよね。小笠原さんって、嫌味たらしくて老けて見える人ですけど、そうなったのにも理由があると思うと、俺、あの人のこと少し可哀想になってきました。

前柴 :嫌味なのは生まれつきって話もあるけど…… でも一因ではあるかもな。

(しんみりしているところに、小笠原がひょっこり現れる)

小笠原:あれ? アンタらって、もしかして『ヘタレ攻め』のお二人さん? あー、悪いな。俺のせいで、なかなか出番が回ってこなくてさ。さなげには俺から催促しといてやるから、もう少し待っててくれよ、な。

ゆずる:いえ、いいですって。それよりあの、この度は御愁傷様です…… じゃなくって、あの…… なんというか、その……

小笠原:ん?

前柴 :小笠原、こんなところで油売ってていいのか。今、大変な時期なんだろう?

小笠原:ああ、まあね。今日はちょっと用があって出てきたんだ。たまには気分転換も必要だろ?

前柴 :それもそうだな。

(少し離れたところから)

祐一 :オガ先輩。その方達、お友達ですかー? お邪魔なら、僕先に行ってますけどー?

小笠原:あんっ、祐一くぅん。違う違う、ダチじゃない。ただの顔見知りだって。待ってくれよぅ、お前が邪魔なわけないだろ! 邪魔なのは、こ、い、つ、ら!! ……ということで俺、先を急ぐんで。じゃあな、お二人さん!

(スキップしながら去っていく小笠原)

ゆずる:前柴先輩。

前柴 :うん。

ゆずる:あの男の子は誰でしょうね。

前柴 :さあ? 新しい恋人、かもな。

ゆずる:俺達、邪魔者だって。

前柴 :うん、聞こえた。

ゆずる:俺、本当にあの人苦手です。

前柴 :うん。俺もお前がそう言うの、無理もないかなって思うよ。

end.

2013.08.15



*そんなこんなで「ヘタレ攻め」は予定より大幅に遅れそうです。すみません。年末辺りに一話目がUPできれば御の字かも。
あと、鼻息荒く告知した18禁も、少し書いただけで止まってます。重ね重ね申し訳ないです(__)
 

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あきゅろす。
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