『花集ウ』に集中します


― 前柴先輩。俺達の話、とうとう終わっちゃいましたね。

― そうだな。

― さなげさんってばついこの前まで、前柴先輩が大学生で俺が高二になった時の話が書きたい、って言ってたのに、さっきそこですれ違ったら『オイラ、当分「花集ウ」に集中するから。お前達はまた今度な、悪いなゆずる』だって。

― そうか。

― 何だかやる気のない返事ですね。小説に出られなくなって、先輩は悔しくないんですか!?  俺なんて、俺なんて…… ううっ。

― どうしたんだ、ゆずる?

― 俺なんて、さなげさんの後ろにいた小笠原ってオジサンに、すれ違いざまフフンって鼻で笑われたんですよ!

― 小笠原…… オジサン……

― 何なの、あのオジサン! イソギンチャクみたいに、いつもさなげさんの後ろにくっついて。

― それを言うなら、腰ぎんちゃくな。だけど「花集ウ」の小笠原は、確か俺達と同じ高校生の筈だぞ。

― えっ、ウソ、あれで高校生なんですか!?

― 何でも、痩せてて背が高くて、タレ目のイケメンだって聞いてるけど。そんなに大人っぽいのか、小笠原って。

― 大人っぽいっていうか…… アッ、まさか先輩。先輩って、ああいう老けてて嫌味ったらしい男が好みなんですか!?

― は? 俺、小笠原には一度も会ったことないん……

― どうせ俺は、子供っぽいですよっ! でも、俺を大人にしてくれなかったのは、前柴先輩じゃないですかっ!

― え?

― あの時、チューしかさせてくれなかった癖にっ! 俺は、大人になる準備はいつでもできてるんですからねっ!!

― (真っ赤になって)ええっ! あれは、その…… い、いきなりだったし…… 何ていうか、俺の心の準備が…… その、ゴニョゴニョ……

― ほら! 俺はやっぱり、ずっとおあずけ食らったままの犬なんですねっ! いつまでたっても、大人にはなれないんですね! うわーん、前柴先輩の、いけずぅ〜〜!!(お約束通り、走り去る)

― あっ、待て、ゆずる! ……はぁ、まさかの下ネタか。だから出たくないんだって。次の話に出たら俺、絶対アイツに何かされるに決まってるだろ…… そうですよね、さなげさん?

end.


*『うん、そうだよ!(ミッ●ー声)』
心を入れ替えて、「花集ウ」を再び更新しだしてからのお知らせでした。いや「集ウ」まだ終わってないですけども。ゆずると斎の続編は、2013年公開予定です




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