■その瞳に映るのに* 守ると決めた 例え微笑みかけられなくても、 だから…………… その瞳に映らなくても ------------------ 「姫、」 「なあに?小狼君」 さくら、とは呼ばない。 呼んだらきっとこいつは離れてしまうだろう。 だから、呼べないんだ 「なに、じゃない。冷えるだろ、そんなとこにいたら」 「そんなこと言ったら小狼君だって寒そうじゃない!」 「…寒くない。」 「我慢しないで、ね。いくら春だからって夜は寒いもの。私の手袋半分貸すから…それなら調度いいでしょ?」 そう言って微笑みながら俺に桜色の手袋を差し出す。 俺がしぶしぶ手を入れると、まだ少し温かかった。 「あ、ありがとう…」 「うん、どうしたしまして」 ---月ってこんなに切ない色だったか…? 「あれ…?今、雨降ってる?」 ふと、横を見ると、 月明かりに照らされて輝く瞳からは雫が。 「…っ……」 「私の顔濡れてるの。雨、降ってないよね?なんでだろ…」 「……いや、降ってる。中に入ろう。これ以上体を冷やすな」 「……そうだね、風邪ひいたら大変だもんね」 その瞳に俺は映っていなくて、 代わりに違う『俺』が俺に微笑みかけていた。 「桜、綺麗だね」 「……あ、あぁ」 「“まだ目にしていないものを二人で見られる”って幸せなことなんだね、小狼君」 「………………さくら、」 「……え?」 「いや、桜、本当に綺麗だな」 その涙を拭えるなら、 代わりでも構わないんだ。 −−−−−−−−−−−−−− <後書き> 様姫に見せかけて実は、姫→→→→→主人公という矢印^^ 設定はめちゃくちゃですが、かなり暗くなってしましました! …きっと仮に様姫になっても、さくらは主人公と小狼様を重ねてしまうのだと思います。 そして小狼様もそれを受け入れてしまう。悲しい関係になりそうです…(ノ_・。) (あくまで推測ですよっ) なんか後書きまで暗くなってきたよ!!!だから終わりますね(汗)適当な後書きでごめんなさいっm(__)m あ、苦情は受けつけませんよ☆ では、読んでいただきありがとうございました・∀・ [戻る] |