★こんな紅魔館はいやだ

「あは、やんっ!ちょっとお姉様、そんな舐めちゃらめ…、あっ、そんなとこ、や、お姉様…おね………お姉様?!」
「……なにやってるのよフラン」
「あ、うん、その、じゃれてた」
「………。とりあえずその子返してくれるかしら?」

「はぅ…、そんな、そんなとこ触ったら、私、やめなさ…めーりん…!」
「ちょっといいかしらレミィ(ガチャ)」
「ウワァアアアちょおま、ばっか、おま、ノックぐらいしやがれ畜生」
「あ、いたいた。ちょっとこの子貰ってくわね」
「……うー」

「ふふふレミィったらそんなに鳴いちゃって…これが欲しいの?まるでレミィは赤ちゃんね。淫乱ではしたない赤ん坊…。」
「パチュリー様」
「あら、何かしら?」
「そちらを少々預からせて貰っても?」
「そうね…、まあそれなりに楽しんだし、いいとするわ」
「申し訳ありません」

「妹様!妹様!妹様!妹様ぁぁぁああうううわあああぁぁぁぁぁry」
「あ、咲夜さー」
「殺人ドール」
「ひぎい」
「……」
「……」
「…さて。妹ry」

みなさん ペットは ちゃんとなまえをつけて ただしく あいしましょう!





★ぶきっちょなしあわせ

人間なんて誰でもおんなじだと思ってた。弱いこころに過大なる偏見を携えて、ひとを見下してしあわせを感じてる。そればっか。
でもなんだか目の前の人間はすこしちがうようだ。わたしはこんな人間、生き物に未だかつて関わったことがなかった。相手に対して無関心で、負けず嫌い。そのくせなんだかんだ面倒見がいい。

「れーいむ!」
「ん…?ああ、きてたの。ノックくらいしてよね」
「ノックしたら襖が破れちゃうよ?」
「ばか、玄関に決まってるでしょ。誰がここまで入っていいって言ったのよ」

わたしの能力は誰にも気付かれないことだ。瞳を閉じてからとても気に入ってたけれど、なんだか最近では不満を持つようになった。よくわかんない、けど。無意識のなかでもこっちをみてほしいなあ、なんて考えちゃってる。我ながらはずかしい。
そんなわたしの気持ちを知らずに霊夢はばりばりと煎餅をかじってて、それでもものすっごくまじめな顔をしてて、なに考えてるのかな?なんておもうようになった。だから聞いてみた。

「れいむー」
「何?」
「いま、なにを考えてたの?」

そんな顔してさ、って付け加える。そしたら霊夢はその表情をくずさずに、こう言った。

「今日の晩御飯の味噌汁はわかめかなめこか悩み所だなあって考えてた」

なんだそれ。それでもおかしくって、わらっちゃった。
心がよめればいいのに、そしたら毎日のぞいたって楽しいんだろうなあ。って、じぶんでその能力を閉ざしたんだっけ。あーあ、もったいないことしたなあ。
そしたらすこしだけ瞼が軽くなったような気がして、胸がきゅんって高鳴った。





★お姉ちゃんには敵わないね

「お姉さん達の気持ちは考えたことある?」

ルナサはそう語りかけてくる。私はそんな言葉に直ぐさま的確な返答が出来ず、押し黙って彼女の指先を見詰めた。白い陶磁器のような、ヴァイオリン弾きの指。とてもきめ細やかで、私のように長年人形を作っている者でさえも、思わず息を呑んでしまう。

「…分からなく、ないけど」
「じゃあたまには里帰りしなさいよ」

もっともだ。魔界を飛び出してから暫く、音沙汰も無しにここまでやってきた。連絡を取れば甘えてしまいそうだから控えてきた。帰れば恋しくなりそうだから、とうとう住居を構えてしまった。
あの家族が心配しない筈が無い。お母さんはともかくして、きっと今でも、私の名前を出せば少し心が暗くなっているだろうに。

「だけどアリスって本当、妹肌よね。放っておけないもの」
「ルナサがお姉さんなだけよ」
「私を生み出しちゃうような、厄介な末っ子がいたからね」

それでも、妹がいないのは悲しものよ?なんて言うルナサに、お母さんのメイドをしているお姉ちゃんを思い出した。そしたらやっぱり恋しくなって、久しぶりに帰ろう、なんて決心してしまった。

「まあ、里帰りの間だけでも会えないのは、寂しいけど」

いきなりそんな言葉を零して意地悪そうに微笑むから、つい赤面してしまった。
そんなこと言われちゃ、帰らないわけにはいかないじゃない。






あきゅろす。
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