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最後は最期じゃない(BF)※


未来編終了後設定
フランがデレ気味
甘々目指して、若干R15






「……ってワケで、お世話になりましたー」

フランは彼の師匠こと、六道骸を連れてヴァリアーのアジトへやってきた。ベルはフランの保護者面してる骸に苛立ちを感じるのであった。
しかし、そんなのお構いなしにお別れの挨拶は進められていくのであった。


「まぁ!!もぅ行っちゃうの〜?」

「はいー、このパイナップルが早くしろ、的な視線を送ってくるんでー」

「誰がパイナップルですか?」

――グサ、

フランの帽子に骸の三叉槍が突き刺さる。

「痛いですよー…色んなイミで」

「黙りなさい」


こんなやりとりが数分続く。




―――――…………

「フランちゃん、元気でね」
「ゔぉーい、達者でな」
「いつしか、今までの屈辱を晴らしてやる」
「…カスなりによく頑張ったな」
「………。」

「あれー?ベルセンパイからは無しですかー?」

「…!!…ぃゃ…」

フランの声でベルはハッとする。ベルは此処に心在らずな状態だった。

「…お前…ホントに行っちゃうの?」

「まぁ…こういう運命なんでしょうがないですー……!!…ん!?」


無言でベルはフランの腕を掴むとそのままフランを引き摺るように歩き出す。

「ちょっとコイツ借りてくぜ」

「えっ……いきなり何なんですかー?」

ベルは骸が制止する声が聞こえたが、シカトして自室へ連れ込んだ。


そしてそのままベッドに投げる。

「…ゲロッ!」

その拍子にフランのカエル帽子は床にゴト、と音を立てて転がり落ちる。

「なぁ、フラン…」
「…っ」

耳元で、呼ばれなれない本名で名前を呼ばれ、ビクッと体が跳ねる。

「…ホントに行っちゃうの?」

覆い被さってくるベルの表情はフランには見えないが、声が震えているのは容易に分かった。

「行くしか…ないんですー」
「何で、」

「運命だからですよー」
そう言うと、そっとベルの背中に腕を回す。

「王子のコト、置いていくの?」

「…大丈夫です、センパイには、前任のマーモンさんが…居るじゃないですかー」
「何言ってんだよ、マーモンはただのダチで、俺が好きなのはフラン…お前なんだよっ!!」

言い切った後、自分の顔が熱くなるのを感じ、目をぎゅっと閉じる。今まで言えなかったキモチを最後の最後だから、と吐き出した。

そっと目を開き、フランを見つめる。もっとヤツの顔がちゃんと見たくて見たくて、前髪を掻き上げ今まで晒すことのなかった瞳でフランを捉える。

「…セン…パ、イっ」

別れを惜しんでなのか、嬉し泣きなのか分からない涙をハラハラと流す。

「……ん」

そんなフランが愛しくて、触れるだけのキスをした。

「…あのっ、センパイ」
「ん?」

「そんなこと、今更言わないでくださいー。ミー、行けなくなるじゃないですかー、ミーだって、ミーだって…」

すきなんです、と小声で続けた。

顔を真っ赤にして、必死なフランを眺めてたら、何か言いたげに口をパクパクし出した。

「フラン、」
名前をそっと呼んでやる。

「ベルセンパイ、“行く”って言っても“逝く”じゃないんですよ」
「だ…だけど…」

「大丈夫です、生きてればまた会えますよー。この世界ではこんな別れが訪れちゃいましたけど、他のパラレルワールドならずっと一緒に居られたと考えると悔しいですー」

「そうだな、なぁ、フラン」
「何ですかー?」

「俺がヴァリアーを退職したら、一緒に暮らさないか?」

「あははは、何言ってるんですかー?そんなことする頃にはミー達、ヨボヨボのおじぃちゃんですかねー」

「それでもいい、最期にお前の顔が見れるなら」

「…骨と皮になっても?」

ベルはコクンと頷く。

「へへ、ミーは変わったセンパイを持ちまs…!!!」

―――ちゅ

「…ん、…ぅ、はっ…」
「ししし、」


――ちゅ、くちゅ…

先ほどの触れるだけのキスとは違い、今度はベルの舌がフランの口内を掻き乱す。

「…ぅ…ん、ぁ…はぁ…、セン…パ…イ…?」

「やっぱり、お前可愛い、離れたくない。」

「え、何?」


今度はフランの服をはだけさせると、日に焼けてない真っ白な首筋が目に入る。そしてベルは遠慮なくフランの首筋に吸い付く。

「…っ、いたっ」

そっとベルは唇を離す。吸われたところがじんじん痛むのか、痛みに表情を歪ませながらそこをさすっている。

「何、したんですかー?」

「王子のモノ、っていう所有跡付けてやっただけ♪」

「はぁ、そんなことしなくても、ミーはセンパイ以外のモノになるつもりありませんからー」

「何お前、誘ってんの?」

「ゲロッ、そんなつもりじゃないですよー」


「ふぅん、さっきまで素直だったのにな、ししっ」

顔がだんだん真っ赤になっていくフランを眺めながら、フランが着ていたYシャツの釦を丁寧に外していく。

「……っ///」

いきなりのコトに体を強ばらせる。

「大丈夫、優しくすっから」
お前ハジメテだろ、と続けられ顔が熱くなるのを感じ、近くにあった毛布を顔から被る。

その毛布をベルは剥ぎ取ると
「じゃあ、いただきます♪」

と言って、フランに吸い付く。

――その後、ベルの部屋中にフランの甘い声が響きわたる…




―――――その頃

「はぁ、まだフランは帰ってきませんが…」

「しょうがないわよ」
そう言うと、イミあり気な表情をする






「あ、師匠ーお待たせしました」

「遅くなって……わりぃ」


フランはみんなの方を向くと、深々とお辞儀をした。


「では、皆様…Arrivederci」


そのまま、フランと骸は振り返ることなく森の中へ消えて行った。

フランは少々痛む腰を庇いながら、骸について行く。



時折、走りながら顔が綻んでしまうフランの指には、匣用のリングとは関係のない、ベルのティアラを模した指輪が輝いていた。






―あとがき――――――

未来編終わっちゃって、もうベルとフランの絡みが見れないと思うと悲しくなってくる←
そしたら勢いでこんなの書いちゃいました(笑)

閲覧ありがとう御座いました!!!

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