好き、好き、大好き!(FB)
「センパーイ…
入りますよー?」
フランはベルの部屋風呂の脱衣所に居る。…というのもついさっき一緒に風呂に入れ、と電話で呼び出されたからだ。
「んー、早く来いよ」
―ガラッ
「…!!」
(ミーの部屋風呂より3倍くらい広いんですけどー…)
「ししっw
王子仕様のバスルームにそんなに驚いた?」
広さにも驚いたが、装飾品の豪華さに更に驚いた。26歳でも自称王子なのはこのせいか、とどうでもいい事を考えるフラン。
「てか、お前…何ソレ?」
「あーこれですかー?」
と言って、わざとらしく両手に視線を移す。
「…アヒルと水鉄砲ですー
見れば分かりますよねー?」
「……」
ベルはアヒルの背中に油性ペンで“堕王子”と殴り書きされてるのがどうも気になったが、後で聞くことにした。
「…まぁいいや、適当にオレのボディーソープ使ってー…」
―…ボチャ
「…っ!!
何すんだよ!?」
フランはさっきまで持っていたアヒルと水鉄砲をベルの居るバスタブに投げ入れる。それらがベルにヒットしたワケで…。
「なーんか堕王子センパイの視線がイタいんでー、ミーの愛用の玩具で遊んでて下さいー」
そして何事もなかったように体を洗い始めるフランにイライラしつつ、お湯にアヒルをプカプカ浮かべて水鉄砲で攻撃してみる。しばらくこの単純な遊びにハマり、続行していると隣でポチャ、と水音と共にフランが入ってくる。
気付かないフリをしてそのまま遊び続ける。
「おー、さすが堕王子!」
「…は?何が?」
「よくそのアヒルと水鉄砲の遊び方わかりましたねーって思いましてー」
「あ!…てめっ!」
―バシャ
「…ぅ…げほっ…
…はぁー、いきなりお湯かけないでくださいよー…」
「要するに、このアヒルをオレに見立てて水鉄砲で攻撃してる…って事だろ?」
「あははっ、それ以外に背中の文字に何の意味があるんですかー?w」
(クソッ…笑ってやがるし)
完全に遊ぶ気の萎えたベルはアヒルと水鉄砲をフランに返すと、どこから出したのか入浴剤を入れ始めた。そして、勢い良くバスタブにシャワーのお湯を入れると、ぶくぶくと泡が立ち始める。
「センパーイ、これって泡風呂ですよねー?」
「見たまんまだし…
てか、お前…前に泡風呂やりたいって言ってたじゃん?」
「それで、ミーの為に買ってきてくれたんですかー!?」
「…ま、まぁ…//」
(お、センパイが照れてますー)
「ありがとうございますー
大好きッス、センパーイ」
―バチャ
あまりの可愛さに隣のセンパイに抱きつくコウハイ。
―…ブクブクブク…
(あ、まずい。センパイが沈んでますー!)
「センパーイ!!
大丈夫ですかー!?」
まさかの事態に焦ったフランは急いでベルを救助する。いくらムカつくセンパイでも死なれたら困る。しかも自分のせいで…だなんて、一番避けたい。
「……んー」
「…な//誘ってるんですかー!?」
とろんとした目で見つめてくる。よく見ると鼻から赤い液体が…。
(…完全にのぼせてますねー
そりゃミーより先に入ってたのだから当然か…)
「なんか…だるいんだけ…!!」
「あー!!」
「…ん…ぅ」
ベルは不意打ちのキスに驚いて、フランをキョトンと見つめている。そんなのを気にも止めずフランはベルの唇に引っ付いている。
髪の毛を軽く引っ張られ、やっと我に返る。
「…はぁ…
カエル、てめっ…いきなり…何なんだよ…
キs…じゃなくて…酸欠で王子のこと殺す気か?」
「あー…すみませーん
鼻血出てるんで、センパイに自分の血を見せちゃまずいかな〜って思いましてー…」
そう言って、軽く舌を出して笑う。本当は違う理由がメインですけどねー。
好き、好き、大好き!
(ベルセンパーイ、死ななくて良かったですー)
(…のぼせたくらいで死ぬ程弱くねーから)
―あとがき
最近、家の風呂の入浴剤がぶくぶくしてるので…突発的に書いてみました←
BFにするはずが、FBになってしまいました\(^o^;)/
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