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お前の作ったものが世界で一番美味いよ(BF)



ある日の午後、ベルの部屋にてティータイム…




「なぁ…カエルー
王子、甘いもの食べたいんだけど…」

「じゃあ、買ってくればいいじゃないですかー
ミーに買いに行け、って言っても無駄ですよー?」

この堕王子のことだ、そういうことなんだろうと軽くあしらう。実際にいつもそうだ。あれやこれやと煩い。


「…そうじゃなくてー」

「あ、違うんですかー?」


今日のセンパイはいつも以上によくわからない。


「ね、フラン。何か作ってよ」

「しょうがないですねー」
(珍しく名前を呼んでくれたからって言いなりになるミーは甘いんですかねー…)


「じゃあ…指でもくわえてまってろ堕王子ー」

「んー…わかった」

(…ホントに指くわえて待ってるとか反則ですー)


さっとエプロンをして、冷蔵庫をあさる。勿論、勝手に…。

「あーこれだけあれば、アレが作れますねー
あのー…堕ぉ…」


材料を使う許可を取ろうとベルの方を見たら、もうお昼寝タイムだった。どこまでお子ちゃまなんだか、と呆れつつ調理開始。










数分後、ベルの部屋中が甘ったるい香りでいっぱいになる。

「まぁ、こんなもんですかー
面倒くさいですが起こしてやりますよー」



そう呟きながらベルの寝ているソファーに近づく。

(どんな目なんでしょうか…)
気になる衝動を抑え、ほっぺたを突っついてみる。


「…んー?
あ、フ…じゃなくてカエル?」

「ミーの名前を言いかけておいてカエル、って言うのやめてくださいー」

「…んで、何作ったん?」

「まぁ…
ヒントはミーの名前ですー」

「……?
フランなんてお菓子、某お菓子メーカーの棒状のヤツしか知らないんだけど…」

「センパイ、もっと世界の言語を知りましょー(笑)」

そう言いながら、オーブンから取り出したモノをベルのところへ持って行く。


「…って、プリンじゃん!!
どこら辺がカエルの名前?」

「フランって、スペイン語でカスタードプリンのことみたいですよー」

「へー
じゃあ、カエル帽子やめてプリン帽子にするか?」

「いや、結構ですー
センパイこそ、プリン帽子はどうですかー?
プリンス・ザ・リッパ〜って呼ばれてたらしいのでプリンでもイケますよ(笑)」

「プリン違いだろ
じゃコレ、頂くぜ」

「どうぞ、召し上がれ」



―パクッ

一瞬食べる手を休め、またプリンにがっつく。
しかし、なんか微妙な表情だ。

「不味かったですかー?
残してもいいですよー、市販のを買ってくるんで」

と言い立ち去ろうとすると、ベルに腕を掴まれてソファーに座らさせる。

「なぁ、フラン…
不味いんじゃなくて、な」

お前の作ったものが世界で一番美味いよ



(世界規模ですかー…?
センパイの世界って狭いですね)

(いや、マジだから…
ってカエル、照れてるだろ)

(うるさいですー…///)

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