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ぱんどら薔薇
瞳の、その奥は(GB←V)#


《ヴィンス様視点》











ねぇ、








君のその瞳は










誰を視ているの?















(瞳の、その奥は)
















幾つも幾つも零れ落ちる

深く紅い滴。




部屋の床には

紅い華が幾重にも咲き乱れ、



その華を咲かせる"白"は

自分という鎖に捕らわれている。





あぁ、綺麗。



愛しい君が



どんどん染まっていく。



僕と君と同じ



右目の紅に



満たされていく。



凄く綺麗なんだ。




「―ッ…は…、はァ……っ…」




ねぇ、



どうしたの?



そんなに



息を切らして。




「痛い…?帽子屋さん」




一々聞かなくても、



痛いのは



表情で分かるけど。



でも、



何かおかしいんだ。



僕を視ている筈の瞳は、



此方を向いてるけれど



僕を視ていない。



唯虚ろに、



"無"を見つめている。



そんな君の口から出たのは、




「ッ………ギ…ル、バート……」




僕の

兄さんの名前。
そっか。



君の愛しい人は、



君が視ているのは



僕じゃない



彼なんだね。



僕は君を



こんなにも視ているのに。



この想いは、



花弁の様に宙を舞っていく。




あぁ、じゃあさっきから



扉を叩く音がうるさいのは



帽子屋さんを探しに来た



兄さんだったのか。




でも駄目だよ。



幾ら大好きなギルでも



僕のお人形は



あげないよ?



さぁ、帽子屋さん。



君も僕の


























お人形にしてあげるよ


愛しい帽子屋さん。




















(love and hatred)


見てくれないなら
見させてあげるだけ。









End






+ー+ー+ー+ー+ー+ー+ー+

あとがき

一応「瞳の、その奥に」という
これのブレイク視点を制作しました。

非常にヴィンスが
一方通行ですwwww
 


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