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ぱんどら薔薇
愛を紡いで(GB)














(愛を紡いで)














《ギルバート視点》





満月の良く見える肌寒い冬の夜。


今日はブレイクと付き合って丁度2年の記念日だから、俺のアパートで飯を作ってやることにした。


因みに今日のメニューはオムライス。
好きだって言ってた(様な気がする)から。

肝心のブレイクはというと、部屋のソファに寝転がりながら、俺が読んで置いてあった本を暇潰しのように読んでいた。



「ほら、出来たぞ」



漸く出来た熱々のオムライスをブレイクが居るソファの前のテーブルに置くと、待ってたかの様に目を輝かせてきちんと座り直した。



「流石鴉ですネ。
 何処にお嫁に行っても
 恥ずかしく無いじゃないですカ」

「うるさい。黙って食え」



そう言うとブレイクはクスクスと笑い、食べ始めた。

嫁に行くとか、なんて事言ってんだ。



「まぁ、中々美味しいです」

「中々って…なんだそれ」

「…というか珍しいですね?
 鴉が自分から作って下さるなんて」



物凄く上から目線で
感想を言われた事に少しイラっときたが、

…何でそんな事言うんだ。
まさか記念日忘れてるとかいうんじゃないんだろうかこの上司は。



「あ-…いや、えっとな-…
 …今日は何の日だと、思うか?」



さりげなく聞いてみたが、なんか後々から不自然に思えてきた。

ちらっと相手を見ると、俺の問いにブレイクはうーんと考えている。



「…何か、ありましたっけ?」



…やっぱり忘れてるのか。
去年は、自分からはしゃぎながら言っていた癖に。



「あ、いや、なんでも…無い」



質問を急いで撤回する。

もう2年も交際してるから、そろそろ覚悟を決めようと思ったのだが。本人がこの様子だと、覚悟が鈍る。



「はっきりしない子ですネェ…」

「…俺にだっていろいろとあるんだ。
 覚悟とか、その………」



言葉が詰まった。


そんな俺を、ブレイクはじいっと見つめている。
まるで何を言いたくて、何をしたいのか全て、解っているような瞳で。



「はいはい、解りましたよ」



ブレイクはくすりと笑い、また食事を再開する。

俺は一体どうすれば良いのだろう。
何時も何時も、ヘタレヘタレ言われて、はっきり言って悔しい。


俺だって、やるさ。









《ブレイク視点》




さっきからおどおどとして、鴉は何がしたいのだろう。

まぁ、代々は解っているのだが。



「ごちそう様でした。
 美味しかったですヨ?」

「ん?…あぁ、
 それなら良かった」



私が食事を終えると、同じく食べ終わった鴉が皿を片付け出す。

片付け終わって此方に戻ってくると、鴉は無言で隣に座った。



「……………」

「……鴉?」




言いたいことがあるなら
はっきりすればいいのに、と思う。




「…鴉、
 お茶か何か淹れて下サイ」

「…は?
 あー…、仕方ねぇなー…」



嫌そうな顔をしながらも、立ち上がって珈琲の豆を引き始める。


良く見ると、あんなに幼くて、あんなに臆病だった彼も、今は自分の背丈を越しているのだ。


そう考えると何だか嬉しくて、同時にちょっぴり寂しいだなんて考えてしまったりして。



「ほら、珈琲でいいだろ」

「ありがとうございマス、鴉」



淹れて貰った珈琲は豆の香りを良く引き出していて、鴉の淹れる珈琲は、なかなかのものだと思う。



「…美味い、か?」

「不味いって言って欲しいんデスカ?」



私がクスクスと笑うと鴉は、あー、とか言いながら顔を逸らし、私の隣に座って淹れた珈琲を飲む。


すると、鴉は一人でひとつ頷くと、徐にソファから立ち上がった。



「……どうしました?」

「――ブレイク」

「ハイ?」



鴉は真剣な表情で私を見ると、何やらポケットを探り出した。

出てきたのは
小さな小箱。



「お…俺と、俺と……」

「…俺と?」



ギルバートは顔を真っ赤にして目を游がせると、咳払いをして小箱を開ける。



「け…結婚してくれ…っ!!」



開いた小箱には、
銀色に耀く小さなリング。



「…………」

「………ブレイク?」



私が小さく溜め息を吐くと、不安そうに表情を伺ってくる。



「ありがとうございます、ギルバート君」



大好きです、と呟きギルバートに抱き着くと、優しく抱き返してくれた。



その時間は、
余りにも自分には優しすぎ、幸せすぎて、何だか凄く、嬉しくて。

思わず涙を溢してしまったりして。



「…ブレイク?
 お前、泣いて――」

「…うるさい黙りなさいヘタレ」

「買wタッ…?!」



本当にこのヘタレは。







やっと、言ってくれましたね


大好きです、ずっと。
















おまけ


「あ-…結婚式とかどうします?」

「挙げたいなら挙げるけど」


「…ドレス、は?」

「着るのか?」


「…良いですよ?」

「ほ…本気で言ってるのか、お前は」

「やっぱり嫌です」

「…何でだよ」


「―君以外に見せたくないですから」

「…―なッ!!//」


「どうしましたー?w」

「…―っ何でもない!!」













(affection spin)


紡ぎ出すのは
精一杯の愛一つだけ。










End







+ー+ー+ー+ー+ー+ー+ー+

あとがき

妹の一言により
制作しましたwwww

ウエディングドレスきたブレイクたんとか
はぁはぁするはぁはぁ←(自重
 



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