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ぱんどら薔薇
君の香りに誘われ。(VB)








大好きな君の香りは

どんな香り?



遠くちゃ解らないから、

もっと近くで

君の香りを感じさせて?















(君の香りに誘われ。)


















「帽子屋さんって何か柔らかいねー」



自室でブレイクをぎゅうっと抱き締めるヴィンスは、ふとその言葉を呟いた。



「……それ、何か
 言葉のセクハラじゃありません?」



ヴィンスに抱き締められたまま、相手の言葉に不満を持つように問いかける。



「だぁーいじょうぶ。
 セクハラなら何時もしてるでしょ…?」

「……セクハラ通り越して
 明らかに強姦じゃないですカ」

「ふふ…、してほしい?」

「丁重にお断りします」



何時もの様な会話を繰り広げると、ヴィンスはブレイクから離れベッドへと座る。

そしてブレイクを手招きで呼ぶと、股の間に挟まるようにして座らせた。



「ん…何か帽子屋さん、甘い匂いがする」



今度は後ろから抱き締めながら呟いたヴィンスに、ブレイクは首を小さく傾げる。



「…ケーキ食べるからじゃないですか?」

「……そうかな?
 でも舐めたら甘そうだよね」

「…………この変態」



言われた言葉にクスクスと笑うヴィンス。

笑われて少しイラっとするブレイクは、体重をヴィンスに預け寄っ掛かる体制になった。


そんな相手を可愛いな、と思いながら、ふと頭に浮かんだ事を問いてみる。



「…ねぇ、僕どんな香りがする?」

「……ヴィンセント様の香り、ですか?
 ………そうですねぇ…」



問われた事にうーんと悩ましげに呟くと、答えが思い付いたのか顔を上げた。



「…ネズミの、香り?」

「……………」



答えに沈黙する。
数十秒後、ゆっくりと口を開いた。



「……それ、香りじゃなくてさ、
 ネズミ臭い、だよ…ね?」



ショックを受けているのか、小さく溜め息を漏らすヴィンス。



「…冗談ですって。
 そんな本気に受け止めないで下さいよ」

「………じゃあ、何なの」



へこんでいる相手の手を軽く叩くと、
ブレイクはその手を優しく握ってみた。



「ヴィンセント様は…、薔薇の香りですね。
 こう…妖艶な感じというか……」

「襲いそうな雰囲気ってこと?」

「……否定は出来ませんね」



肯定するようにひとつ頷く。

するとヴィンスはニコリと笑い、後ろからブレイクの耳元へと顔を近づける。



「じゃあさ…、
 そのイメージ通りに襲おっか…?」

「ッ…ひゃ………」



そう呟き、耳元に舌を這わせる。
ぴくりと跳ねる華奢な身体。



「ふふ、かーわいい」

「…最低ですね、変態貴族様」

「いいじゃない、べつに」



ねぇ?と促すように呟けば、ブレイクの頭を撫でクスリと笑う。




「舐めてみたら本当に甘かったし」




ふと呟かれた言葉に、ブレイクは瞬時にヴィンスから離れ、みるみる顔を赤くする。



「…ッな…何てこと言って…っ……」

「だって本当のことだよ?」



相手の反応に微笑を浮かべると、未だ驚愕の表情のブレイクに近づき、その額に小さく口付けを落とす。



「君のその香り、
 明らかに誘ってるからね…?」



駄目だよ?
僕以外にその香りを感じさせたら。



「さ…誘ってなんかいませんから…っ!!」

「さぁ…?どうだろうね…」



君の香りを感じる代わりに、

僕は君を

情欲に溺れさせてあげる。



「これは煽った罰、だからね?
 甘い香りの帽子屋さん」



君が望もうと、

望まなくともね。
















(Your fragrance)

君の香りも身体も
僕だけのモノ。


















+ー+ー+ー+ー+ー+ー+ー+

あとがき


甘々強化月間です←
ヴィンブレ甘々も大好き。


 


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