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・11/02/23 教会の丘 encounter:ロン/ギガトール/エリー/レノ
久々だ、ここまですっきりした目覚めは。起きて早々、ロン君の美味いお土産にありつけるのも、最高。和菓子、って言うんだっけ、こういうの。

結局、行く前に悩んでいた事は全て消えていた。無駄に長いあの時の束縛されたカウンセリングの様な、夢の内容をただひたすらに思い出させる様な事も無く。訊かれる事すら無かった。
ただ、何も言わず治してくれた。その事に何よりも感謝するしかない。今度お礼に、何か持っていこう。多分、そんな口実が無ければ教会になんて寄れないから。あそこは、私に難しい問いを投げ掛ける場所だから。

神は居ない、居たとしても無慈悲。そう信じている自身に対して、神は居るのだと信じる者も居る。どちらが正しいかは分からない。多分、一生分からないのだろうけれども。

相変わらずステンドグラスにぶち当たる風は止まなくて、心配してくれたエリーも教会に泊まるという事にして。無宗教で都合の良いときに神様を信じるのは私と同じらしい。教会で言う言葉でもないが、宗教感ほど人それぞれなものもないだろう。それぞれが良いと思う解釈をして救いとする。多分、そんなもの。

あと、神父様に聖水を二つ貰った。これであの夢魔に対抗出来るだろうが、出来れば会いたくはない。少しでも力になれれば良いのだが、護身として持つか、倒す為の武器として持つか悩む所だ。ただ、今は護身で良いと思う。これ以上被害が増えて、私の耳にも入ったらその時は。

あの時は素敵と言ったが、私にもどういう意味合いの含まれた素敵なのか、分からなかった。ファルリラ、か。それが生み出された彼の思考は混沌としか思えなかったが、それで彼が良いのなら、良いのだろう。
その彼、ロン君の抱えているものは大きなものに見えた。街を守る役割、ペティットの為に戦う人達を、その人達の帰る場所を守る役割。その応援団。具体的には分からなかったが、それでも彼のこのペティットという街を大好きと言った言葉は純粋そのもので。
あの時私は何れ程苦しかったか。この街の人など、どうでもよかった。けれども悪夢を見て、この街で優しく接してくれた人達と戦い殺す夢を見て。それを悪夢だと思えた。本当は殺したくなんかないのか、私自身分からない。ただ私は、他人などどうでも良いという事にしておきたかった。それだけだった。

約束したんだ。あのマルスリーヌと言った占い師と。絶対に克服して、また視て貰うと。克服して、全部終わらせて、あの時交わしたロン君との約束もいつかは果たしたい。

どうやら神父様に夢魔の事で話し合っていたらしいお兄さんは、私を街まで送ってくれた。強風が辛かったが、一人で来たときよりは辛くはなかった。

一人じゃない。それがこれからの道で楽になるのか、辛くなるのか分からない。けれどもこれからも殺し続けるとしたら、絶対に辛くなるのだろう。

もし本当の事が分かったら、彼の目はまともに見れないだろうから。


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