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・13/03/08 路地裏 encounter:紺色のローブ/コール/ダァト/ディアナ あのシンボルが見えた瞬間、俺の方針は決定した。徹底的にぶちのめす。言葉には偽りは無い、半分程殺してやると言った。 俺の思いは半々だ。ただ単に殴り力でねじ伏せ俺の本能のままにぶちのめしたかったのが一つ。もう一つは、ミツキが襲われたと聞いていた組織だったからだ。 冒険者でも自警でも関係無い、俺は俺の個人的理由で刃を振るい叩きのめす。本能的に植え付けられている意思は、あの女と出会ってから疼いて仕方が無い。闘争、剣撃の神楽、俺はそいつを、知っている。 隠蔽兵器であるナックルダスター、少し加速が足りなかったか。一撃で終わらせる気でくらいいたが、まだ意識残っててそれはそれで良かった。殺し合いは長ければ長い程良い。 振り抜いた右腕、反撃の針を左手のナックルダスターにて逸らすも頬を掠める。眼を殺られなくて良かった。引き下がり三角跳びからの降り落ちながらの斬撃。木箱を盾に使われ粉砕、それを利用したのは、互いにだ。木箱を散らした雨の中の最悪の視界状況の中を横薙に斬撃を繰り出す、斬り放った感覚と、突然現れた気配。蒼い豹に左腕を切り裂かれるも戻した剣にてそれ以上は行かせない。そこからは、反撃だ。蒼い豹にぶっ刺してから剣へ属性球を装填し吹き飛ばす。 タロットカードを武器とする者の防御とそして遠距離攻撃。魔法か何かだろうか、恐ろしい切れ味、流石でもある。怪我は後で止血してくれるとの事なので思う事無く戦える。 失敗したら殺される組織。苛々する。同じ悪人の集いとしても笑えもしねぇ。気に掛けることもしない、仲間の責任さえも見やしない。昨日俺の元の仲間達、もう居ない者達の事を考えたから、思い出したから尚更だろう。 叩き潰す。 途中聞こえた、小瓶の液体には触れるなとの声。それでもう一人の位置確認と敵味方の区別は付いた。装填した風の属性球。殺傷するに至らないのは幸運だろう。その小瓶ごと吹き飛ばしてやろうと駆け、引き金を引き切り振るい抜いた。暴風が生まれる。同時に紺色のローブの男が小瓶を声の方向へと投げた。それすらも風で蹴散らせれば、と思ったが生まれたのは炎。振り放つ前だったら、恐怖で一瞬止まっていたかもしれないが。 蒸発した小瓶、飛沫が石畳を魔石に変え、暴風が男を吹き飛ばした。その直前にタロットが向かい奴の腰に付けられていた魔石の色が変わって。それを合図として捕らえろと。 結果としてそのダークシルフを捕らえることには成功した。もうちょっと早く攻撃を仕掛けられれば良かったのだが。怪しい言葉、街を恐怖に陥れる。俺の所属していた場所と名前くらい名のって気が合うね、なんて笑い話の様に話し掛けたら馬鹿なら組織の名を語るとは思ったのだけれど、そんな必要も無く無駄に喋っちまった。あの情報をくれた男、コールには聞こえていたかもしれないな。 炎を扱い小瓶の中身を蒸発させたのはディアナだった。あんな魔法を使えるとは。そういえばあの一件では魔法を使うとあまり宜しくないんだったかな。初めて見た。 タロットを使った術者には止血をしてもらい、ディアナには治療魔法を受けた。今はなんとか余裕で動かせはする。店の名は BAR･Lovin' You 。覚えておこう。 今調査書を見ながらも書いているが、成る程な。あの時言っていた言葉の意味が詳しく乗っている。俺が感情のままに叩きのめしていたら酷い事になった訳だ。コールとディアナは良く知っている様子。ディアナの事は分かるが、ギルとも知り合いの様だ、多分。相当字が汚いって言ってたな、いや、これを見た感じ同意せざるをえないけれど。 それにしても、載っていない情報も幾らか聞けた。聖水、聖属性が効かない小瓶が三つ程作られているらしい。そしてメンバーは残り三人、アジトは未だ分からず、そして16日に魔物を街に放つ、と。 標的に含まれるのは一般人、子供すら含まれる。ミツキも襲われていた。それが、魔物を街に放つだと。ふざけるな。全力で殴り込みに行きたいが居場所が分からない以前に、ギルの友達の両親というのがネックだ。聖属性を持っていないのも、詰みだ。 そういや思い出した、あの時か。聖属性を持っていなくて詰んだのは。クヴェールに到達する直前の村で、邪龍ヴィオルレグス討伐戦に参加した時の。個人総損害額1900万Gの思い出、ドラゴニカルオニキスアーマーに、大剣グラドニカルが全壊、 ラスカノスが真っ二つに折れ俺の右腕が千切れ飛んだあの事件は思い出したくもないな。聖属性術式、か。結局、殺すじゃない解決法だったっけ、あの時は。 まず教会に行こうか。そして聖水やらなにやらを貰ってこよう。タダでというのも図々しいか。 コールの言っていた通り、きっと引く気は無いのだろう。対策するには少しでも人手が多い方が、いい。 俺は、嫌悪が行動原理だ。嫌いだから、潰す。友達に手を出した奴等を、そして一般市民に手を出した奴等を。何より、組織として許せない奴等を。 常に捜査には回れないが、駆け付けられた、か。 まだ少し、左腕が痛いな。 ［↓Back］［↑Next］ [戻る]  |