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・14/01/19 イトスギ森のゾンビ溜り encounter:マヤ

自称天才マヤ様がご降臨なさっていた、というのが大まかな概要。俺はゾンビをぶち殺しに、依頼を受けに来ていた。イトスギ森に。ついでにマヤの下着は黒色、という前提で噺を進めていくことにする。

久々に剣を振るう事になったが、ある程度は順調、といった所だった。そうして、また悩む事にもなるんだけれど。俺の剣の意味合い、そいつが何の為にあるのか。金稼ぎよりももっと、前面にあるものが何処かにあった気がして。冒険者が人助けや財宝目当てより、ロマンを第一に求めていた、みたいな。そんな馬鹿げたような目的。俺の剣は何の為に振るわれるのか。金は稼げるんだろうな。ただ、違った。思い起こして、それらは全て汚れていて、それでもって本能的に。俺はずっと、この力を知っていた。所詮、殺す為の力だって。既に死んでる奴らを殺しながらも、そんな事を思っていた。

そんな時に二度も聞こえてきたのが、情けない悲鳴で。俺の耳はそういうものも捉えてしまう。後味が悪いから、一応見に行ったら女の子が一人でデカい化け物と対峙してて。足が竦んで動けなくなってるのか、と思ったけど。

見えたのは四つ脚の象みたいな化け物。全身ドロドロで、黒ずんだ紫の。それの口から吐き出された泥をマヤが避けて、そこに俺が仕掛けた。足の切断、そしてマヤの氷の針。マヤの方はぶっちゃけて言ってそこまでの効果が無いように見えて、それでもさっきのが一撃必殺、とか言ってやがって。それで心配になったんだが。天才とかなんか言ってるし。

時間を稼げ、って話。俺が前衛ってのは紛れも無い事実だし、だからこそ近接で気を引くつもりではあったけど。私を信じて、の後の言葉は俺の耳がバッチリ聞こえていた。ダメだったら私一人で逃げるけど、ってのは。普通に。

逃げて、さもなきゃ巻き込む、までは許した。だけどその後のこの際男らしく巻き込まれろ、ってのは。流石にハードだ。

日当制だからこそそのまま逃げてしまって良かったんだ。金なんて変わらない。あとはこの小娘に擦り付けて。それも、出来たんだ。けれど。男らしくの気はないが、俺はそれでも迫り来る化け物をぶっ潰す気でいた。結論として助かったのはマヤのお陰でもあったんだろうけれど。

前もって水をあの化け物にぶっかけておいた。そこに、凍結魔術を。俺諸共だけれど。

俺の真正面からの刺突はその化け物の恐らくの中枢をぶち抜いて喰い止め、殺したが。きっと、凍結されていなければ俺は勢いのままにあの重たいだろう泥に飲み込まれ窒息死していたかも、しれない。

マヤの方を見たら汗でぐっしょりだったが。本当に大丈夫だったのかよ。私の敵じゃなかった、とか言いながら膝ガッタガタだし。敢えて指摘してやらなかったけど。

しかも、服を焦がす毒とか着いてるし。お気に入りの外套と服が焦げて穴が空いて。胸元にも空いてて、下着が見えてて。それはいいとして、この街に来て初めての成果、か。本当に。とりあえず街に戻る前に指摘してやったら、顔真っ赤にしてるし。面白い奴ではある。

銀貨十枚と、そして情報。あの魔物の核たるもの。幾らかの金を貰って、そこからも色々あったけど、どうにか半分に。悪くない依頼だった。




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