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アクセル



──アクセル=アランバート──




「アクセル=アランバート見参ッ!見せてもらおうかァ、テメェの剣をよッ!」
「俺は俺自身を信じねェ。ただ剣を信じるのみッ!」
「────コイツが、俺の追い求めた剣……!」
「宿屋?クエストギルド?酒場ァ?……否、まずは武器屋だ!」
「あァ、結局は俺のエゴで、くっだらねェ浪漫と銘打っては置くけどよ……ククッ、この為に俺の右手は存在する……。この剣の為にッッ!!!」

「■■■■■が適合要素なのかもしれないじゃないか?そう、アクセルというオレの器の■■のようにさァ、ック、ッははははははははは!!!なァ、────死んでくれよ、死ねッ、母さんの、父さんの、ラウルの、アメリーの■■の為にッッッ!!!」
「ッッく、ははは、……あァ、そうさ、コイツが、オレの全ての目的……!家族を、取り戻す……オレという■■の元の■■■を辿り、幸せに、また、オレは……貴様らの、■■で、取り戻すんだ……全て、全てをッ!!」




魔剣を追い求める魔剣。過去64年程前に魔剣の素材とされたライナス=アーベルハイドの擬似憑依体であり、レッドポイントとしてのライナスに殺されたアクセル=アランバートを操る者。

クロノドラで産まれたライナスは父ラノス、母アミリア、弟ラウル、妹アメリーの五人家族の長男であり、15歳の時に家族一つを対象とされた、視認困難かつ質量を持つ暗黒物質を用いた剣を作り出す計画の一環に巻き込まれ、14年後に死亡。14年間分の負の精神を抱いたままに剣の素材とされ、十本の魔剣、屍色の爪が生まれる。
その際に二分化される事の無い魂を無理矢理にも片寄らせる為に右手、左手という二種の剣が作成される。右手には負の精神が反映された術式媒体とも成り得る骨が埋め込まれた剣となり、左手には同じ構成を持つものの犠牲者の魂を宿した剣となる。担い手に対して大きな精神干渉力を持つ深すぎる憎悪を抱えた魂は不要とされ、封印された。

殺人集団、宵闇の手が用いたものは右手の屍色の爪である。


──屍色の爪[シシキノツメ]

・【概要】夜専用の暗殺に特化した剣である。夜における視認を困難とし、魔術的な視認さえ不可能とする恒常魔術を持つ魔剣の一種。親指(幅広大剣)、人差し指(フランベルジュ)、中指(ツヴァイハンダー)、薬指(魔術結界干渉剣)、小指(魔術媒体細剣)、の五種類がある。
・【外見】剣身そのものは真っ黒であり一切の光を反射せず、輪郭のみが切り抜かれた様にも映る。その剣の凹凸すら肉眼では確認出来ず、また魔術的に視る事も困難となっており、シルエットとしてのみ映る。
・【耐久度】熱による性能劣化は殆ど無し。1500度以上の高熱の場合変形する可能性あり。一般の剣と同様の模様。耐久度に関しては市販の剣とそこまでの大まかな差異は無く、少々硬い程度。(例:自警団員アイザックの使役するアレグーリアの光の槍の掃射による耐久度低下、パケットの渾身の力による蹴りにて屍色の剣『親指』が真っ二つに破損)。回数を重ねて破壊出来ない事はない。
・【特殊性能】究極的なまでの『黒体(光を完全吸収する物質)』としての性能を魔術的に突き詰めた剣であり、その剣に映るありとあらゆる光を吸収する。その為強い光の元、または火の近くでは尋常ではない程の熱を持つ。完全黒体に限りなく近く99%もの光を吸収する現代で辛うじて製作可能な黒体などの比ではなく300%程の光を魔術的に吸収する異常な剣であり、莫大な熱の放射(黒体放射)を引き起こす。「黒は光を吸収しやすい」の魔術的な特化が施され、虫眼鏡で黒い紙が燃え易い原理が大袈裟にされたもの。夜に用いる事でその剣身を極端に視認し難くする。
・【薬指/小指の特殊性能】薬指は魔術の結界を切り裂き破壊する能力に特化しており、触れた部位からその魔術組成式に干渉し解体する事に特化している。小指はその剣を扱う者の魔力を細剣に通し魔術媒体、杖として扱う事によりその威力を増幅、加速して射出する事が可能である。小指においてはエルフへの使用を想定してある模様。
・【剣身表面】陰影すら見えず、魔術的に視認する事も不可能である。だが剣身へ紙を宛てがい上から鉛筆で擦り、凹凸を描写する事によって異様な程にも細かな術式印が刻まれている事が判明する。この術式印自体は対魔術探知のものであり、薄れた場合には魔法的な知覚を可能としてしまう事が懸念される。
・【対魔術探知】魔術的に視認する事を不可能とする。魔素の反応そのものを隠蔽し、その剣に対し向けられた知覚魔法そのものを無効化する。しかしこれらは高度に編まれた表層の術式印にて向上発動している為、術式印が薄れた場合には効果を落とす、または効果が消滅する。よっぽどの専門家でない場合、消滅した場合にのみ魔術的な解析が可能となる。解析には相応の魔術知識と時間を必要とし、その場その場の一瞬での解析は不可能でもある。
・【生成方法】五組の五人家族のエルフの一家を各々用意。この剣をただ創り出す為だけに精神が擦り切れる限界までの子供の恐怖を、そして両親の憎悪を絞り出す様にも拷問を掛け、ゆっくりと解体する様に、その魔力の負の限界を引き出す様に殺す事にて、術式を用いぬ呪縛的な恐怖と憎悪を恒常的に廻る様に剣へ組み込まれた。物体として恐怖と憎悪が染み付いた屍の、その骨を剣身へ、血は余す事無く鍛冶に用いられた。見る者によってはその測り知れぬ怨嗟の片鱗に触れる事となる可能性もある。事実、その無尽蔵の救い様の無い憎悪と恐怖にて恒常的な魔術が働いている魔剣である。
・【素材】この剣を作るにあたり五組のエルフの五人家族、計二十五人が犠牲となった。なお成功作品は一組しかなかった模様。この剣を作る為に選ばれ、魔素保有量の累計にて各々が親指、人差し指、中指、薬指、小指と別けられた。素材は純度の高く魔法との親和性の高い特殊な魔合金とミスリル合金が用いられ、そこにエルフの骨の髄にまで至る肉体の全てが余す事無く錬成に使用されている。対魔術探知を解除した後に術式透視、電磁波視解析(エックス線解析)する事で柄の部位と鍔の部位へと各々の名の通りの指が五本ずつ、埋め込まれている。なお、これら全ては右手のものである。その為、屍色の爪は合計で二組み作られていた可能性がある。


『五組の家族の中、成功作品の家族は一組のみ。』であり、14年間生き残りただひたすらに負の感情を増幅させる為だけの拷問を受け続けたアーベルハイド家のものが用いられている。

剣は恒常魔術が働いており、実質的にダークマターを具現させた剣として存在するが、発熱するという欠点を持つ。

魔剣避け、として作られたものが「屍色の爪の左手」であり、左手には憎悪に満たされた個々の魂が内包されている。

50年前のクロノドラでの連続殺人事件によって右手を用いた宵闇の手が相当され、後のマーシレス等が所属する事となる犯罪組織の長であるエルキオスが魂の宿る左手の回収を指示。
殺戮者作成施設の内の一つ、ゲルグナッドの水瓶にて魔術構成を改変させ、ヒトという身体を持たせ自らの剣を振るわせる殺戮傀儡(レッドポイント)を作成。ゲルグナッドの水瓶は、リーダーからの統治殺戮を行うエゼルケイノスの回廊、そして単独戦闘能力と精神面をそのまま借用し特殊な条件下で人を殺す殺人鬼を作り出すカルドニスの坩堝と違い、ただ見境無く人を殺し続ける自動人形としての殺人鬼の作成を行っていた施設でもあり、後にZergia-G5と型番を付けられるラゼットと同じ作成施設でもある。
アーベルハイド家の五本に与えられたレッドポイントの型番はZarnos-G3/Zirdes-G3/Zurkus-G3/Zeilis-G3/Zorgas-G3。
47年前〜13年前の34年の間、その五体のレッドポイントは幾多の殺人を憎悪の赴くままに行った。

その頃モルンニアにてアクセル=アランバートが産まれる。

クロノドラの近郊にて伝説の剣『聖剣ガヴェリス』を探索中であった、当時10歳だったアクセルとその叔父である世界の剣の探究者であり冒険者だったログザークと交戦。ログザークが死亡し、アクセルも心臓を突き刺され、死亡する。

剣、魂、身体。その結び付きが「とある条件」にて生まれる。

アクセルの身体を扱い、家族の駆るレッドポイント四体を殺害し剣をクロノドラへと保管し、冒険者として剣を巡る旅へ。

現在に至る。



最終目的は「とある条件」を満たす事による家族との再会であったが、リンファとの出会いによって潰える。



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74年前:ライナスが産まれる

64年前:アーベルハイド家が監禁される、ライナスが10歳の頃

50年前:14年間の監禁と精神破壊の果てにアーベルハイド家全員を殺害、その素材により屍色の爪が完成。右手が宵闇の手により用いられる

47年前:屍色の爪左手中指のライナスがレッドポイントとしての身体を得て以降34年間の殺戮を開始する

23年前:アクセルが産まれる

13年前:ライナスが10歳のアクセルを殺し、とある切っ掛けにてその身体を使い続ける

10年前:マーシレスの命令によりゲルグナッドの水瓶を、ラゼットを暴走させ破壊

現在:13年間冒険者として世界を旅して回っている

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