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レンに告白して、お互いの気持ちを確かめあってから一ヶ月。私たちは未だに恋人らしいことをしたことがない。キスしたことも、デートしたことも、手を繋いだことも、いーっかいもありやしない。
付き合ってから一週間ぐらいしたときに、そんな不満をレンに漏らしたら「こんなもんじゃない?」と言って流されてしまった。なんというドライな男なの!?男の子ってもっとこう、ロマンチックなこと考えないのかしら?初デートのプランとか、顔を真っ赤にして考えてくれるものでしょう?!(雑誌にそう描いてあったから間違いないはず!)それなのにうちの相方ときたら極度の面倒臭がりな上マイペースなため、そういった事をしてくれた試しがない。

今日だって家にはレンと二人きり。ミク姉やメイコ姉達は収録に行ってしまった。(カイト?なにそれおいしいの?)私達の収録分は昨日全て終わってしまったので突然休日となってしまった。
折角今日一日丸々空いたんだから!と、レンをデートに誘ってみたものの今家に2人でいる時点で皆さんお気付きだとは思いますが、そうです!断られました。理由?「えー、面倒じゃん。明日雨っていってたし。家でゴロゴロしてようぜ?」との事です。おい、ちょっと待て。外を見ろ。ピクニック日和と言わんばかりに澄んだ青い空。何が雨だって?外に出たくないだけでしょー?!現在問題に上がっている当の本人はリビングのソファでゴロゴロしてるし!
レンは、リンの恋人じゃないの?!
彼女を一人にするなんて最低よ!


「ちょっとレン!」


抗議してやろうと思い、ソファに近づく。水色のソファの上に横たわる身体。雑誌を読んでいるようだ。肩を掴み強制的にこちらを向かせてやる。って、重い〜!!!!!
やっとの思いでこちらを向かせ、顔を見る。長い綺麗な蜂蜜色の前髪に長い睫毛。特徴あるリンとお揃いの翡翠色の瞳は閉じられて…ってこいつ、寝てる。彼女であるリンの相手そっちのけで寝てる…寝てやがる!(大事なことなので3回言いました。)いつもよりレンの身体が重かったのは全身の力が抜けきっていたからなのね…。


「レンってばぁ〜」


ぺちぺちぺちと頬を叩くが起きる気配は一向にない。もう!つまんないつまんないつまんない!
折角の、2人っきりのオフなのに…。


「あーあ」


ソファの背にもたれ掛りそのまま、ずるずるずる、と腰を下ろす。本当に暇。皆いないし、レンは寝てるし。本当、暇。詰まんない。一人で何しろって言うのよ。
…あ、そうだ!そういえば冷蔵庫の中にレンのプリン、あったんだっけ。それ食べちゃおう!リンの相手をしてくれないレンが悪いんだからねっ!

思い立ったが吉。早速軽い足取りで冷蔵庫にむかい、扉を開ける。えーっと、上から二番目の棚の一番奥にっと。手を突っ込み、ごそごそと漁れば…ほら。あった!
私の手にはご丁寧に、お世辞でも綺麗とは言えない字で"レン"と書かれたプリン。近所のコンビニで最近発売された美味しいと評判のものだ。レンはこれを凄く楽しみにしていて、今日の夜ご飯の後に食べる!なんて張り切っていたっけ。でもそんなの知ーらない。リンちゃんを一人にした罰なのです!これくらいは当たり前よね?
食器棚の引き出しから小さいスプーンを取り出し、自分がいつも座っている席に着く。


「いっただっきまーす!」


"レン"と書かれた蓋を開け、ごみ箱にポイッ。よし、これで証拠隠滅☆さっそく中身をスプーンで掬い、自分の口に運ぶ。…ん〜!おいしい☆あー、幸せっ!こんなに美味しいもの食べれないレン君ったら本当にかわいそう☆レンのばーかばーか。
…別に寂しくなんかないし。からかう相手もいないで1人でこんなこと思ってても私は気にしないし。うん、寂しくないもん。
ちらり、と横目でソファの方を見てやる。相変わらずレンは先程と同じ格好のまま。ん…という声と同時に身体がゴロリと動いたので一瞬ビクッとした。…起きたわけではないようだ。

そういえば、レンはいつから寝ているんだろう。私が起きて下に来た頃には既に横になってたし。…それはついさっきの話だし。私がちょーっと寝すぎたってこともあるけど、レンもレンでちょっと寝すぎじゃない?もう14時なんですけど!

…もうプリンを盗るだけじゃ物足りなくなってきた。もっといちゃもんつけてやる!
食べかけのプリンをテーブルに置くとレンの眠るソファに寄る。気持ち良さそうに寝ちゃって。ふふんっ、なんか悪戯してやろっと!
しかしどうやって悪戯してやろうか。顔をじっと近付けレンの顔をマジマジと見つめてやる。んー、我が片割れながら綺麗な顔してるわね。流石私の鏡像。鏡映しとはいってもやっぱりレンは男の子で、喉のあたりとか、肩幅とか骨張ってて…やっぱり自分とは違うんだなぁって思う。自分との違いに気付いてから『好き』って思い始めたんだけど…。あー、なんでこんな面倒臭がり好きになっちゃったんだろう。恋は落ちた方が負けだって、どっかのレンが言っていたけれど本当にそうだと思う。こんな何にもしてくれない彼氏の事を"それでも好き"って思ってしまう自分は、なんだか弱みを握られている気になるんだもん。

う〜、そう思うとなんかむかつく!コイツ!こっちからちゅーでもしてやろうか。…あ、それいいな。うん。そうしよう。
レンの身体を仰向けにすると馬乗りになる。…なんかいい眺め。(これは癖に…って、リン!いけない趣味に走っちゃ駄目よ!)身体をべったりくっつけるとレンの唇に自分のそれを軽く落とす。ちゅっ、という軽いリップ音。

―――やっちゃった!
レンは寝てるけどこれってファーストキスに入るのかな?初めてのキスはレモン味って言うけれど、全然そんな味してなかったな。さっき食べたプリンの味の方が勝ってたし。うーむ、雑誌って結構嘘付き?
そんなことをつらつらと考えていたら下半身の違和感に気付いた。なんか押しあてられてる気がする。丁度レンの股間のあたり…ってもしかして。
腰を離し、そこを見る。

(やっぱり)

レンのズボンに不自然な膨らみが見える。これは所謂…いや、もう朝じゃないけど、昼だけど。彼は多分二度寝だけど。レム睡眠の時に起こるって言われているソレですよね?もう、レン君ってばオマセさんなんだから♪
仕方ない、彼女であるリンちゃんが『ごほーし』してあげましょう。一緒に住んでるとはいえ、一緒にお風呂に入ったりしたことないから初めて見るんだよねー、レンのやつって。どんな形してるんだろ?
次々沸き起こる興味。期待を抱きながらレンのズボンをトランクスと一緒にずり下ろす。…う。腰を上げないとうまく脱がせない。徐々に徐々にゆっくりと左、右、とずらしながらそれらを脱がす。太ももまで下ろすと、レンのおっきくなったソレが露わになった。

(これが…レンの…)

予想外の大きさに一瞬怯んでしまうがそんなのいつものリンちゃんじゃないよね☆よし、と意を決して彼自身を優しく握る。えっと、これからどうするんだっけ。雑誌に書いてあったことを懸命に思いだす。うーんと、確か…そうだ。ソレに顔を近づけベッタリと舌を這わす。上でレンが「うっ」と声を上げた。…起きちゃったかな?まあいいや。気にしない気にしない。大体、いつまでも寝てるレンが悪いんだから文句を言われる筋合いはないはずだもん!
掌で竿を扱きながら、先端を唇と舌を使って愛す。とりあえず、いっぱい舐めたり触ったりすればいいんでしょ?

(ふふんっ、どうよ?)

意識のないレンに向かって挑発するようにソレを舐めまわす。
びゅるるっ、とそれは突然に出された。生温かい白い液体は私の顔にかかる。嗅いだことない特有のツンとした臭いが鼻に付く。口の中にも少し入ってしまったので飲みこんでみる。


「うげ、まず…」

「何がまずいって?リンさん」

「…あ」


―――レン。
上から突然声が降りかかってきたので見上げれば、にっこりと笑う片割れの姿。


「素敵な目覚めをありがとう」

「いえいえ、とんでもないですわ☆」


満面の笑みで答えてやれば、ペシッと頭を叩かれた。


「痛いじゃん!この、暴力男!」

「何が暴力男だ!この淫乱女!全く、なにやってんだ」

「いんらん?…まあいいや。折角いい目覚めを提供してあげたのに何で怒ってるのー?!」


わっけわかんない!とそっぽを向くと今度は「あ!」という叫び声。何コイツ。起きたと思ったら怒鳴って、叫んで、忙しい奴!


「ちょっ、あれ!俺のプリン!」

「はあ?」


ああ、そういえばさっきまで食べてたっけ。惚けてなんのことー?と聞き返したら「お前食っただろ?!」なんて怒鳴ってくる。あー、うるさいうるさいうるさい。


「知らな―い。大体あれ、リンのプリンだし」

「ちゃんと"レン"って書いてあっただろ?!」

「違うねっ、リンってかいてあったもん」

「嘘付けっ!」

「あんな汚い字じゃリンって読み間違えてもおかしくないでしょー?」


ぷいっと横を向く。向いた先にはテレビがあるはずなのに、…あれ?なんでソファー?暫く時間がたってからようやく自分が押し倒されていることに気付いた。あれ、いつの間に上下逆転してるんですか?


「ちょっ、レン!なんでそんなに怒ってんの?!」

「当たり前だろうが!お前、人のプリン食べた上にあんなことしといてただで済むと思うなよ?!」

「やー!暴力反対ー!」


足をジタバタさせて応戦を試みるがレンの身体はびくともしない。なんで怒ってんのよ!ほんっとわけわかんない!レンが全部悪いんじゃない!


「ばかばかばか!離してよ!レンが悪いんじゃん!」

「はあ?なんで俺が悪くなるんだよ」

「今日は折角のオフなのに一人寝ちゃってるし、デートもキスも、手つなぐこともしてくれないし!」


―――リンはレンの彼女じゃないの?!
そう訴えかければ、レンは半ば呆れたような顔をして「お前なぁ」と言って続けた。


「昨日は確かに予報では雨だったの!で、今日起きたら晴れてるじゃん。一緒にどっか行こうと思って支度してもお前、なかなか起きないし。仕方ないから下で待ってたんですけど?」


そしたらこの仕打ちだもんなぁ、と納得出来ない面持ちでこちらを見る。


「え…あ、その。ごめんなさい」


レンに返す言葉が見つからなくて、そう謝ると抵抗するのをやめた。


「まったく、自分勝手だよな。リンは」

「うぅ〜」

「勘違いとはいえ、あんなことしたんだ。ただで済むとは思ってないよな…?」


にこり、と微笑むレンの顔はどす黒いオーラを纏ってる錯覚が見えるくらい嫌な笑みをしていた。私は大人しく「はい」と答えると、促されるままレンに身体を預けた。






逆転SWITCH!







(レ…ン)(リン、)(ただいまー!)((ビクッ))(お、お、お兄ちゃんはそんな不純異性交遊は認めませんよ!)((くたばれバカイト))(!?)※キスしていただけです。


 + + +

逆転SWITCH! (ぎゃくてんすいっち!)
リクエスト「リンがレンを襲う話」

妄想日和 (にさ)
http://m-pe.tv/u/?mno2




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