天使は悼む 怒りんぼの為に 「ゔお゙ぉい!てめえどこ行ってやがったあ!」 「阿呆のロン毛隊長には関係ないですー」 嘘です。重大な発見をしました。元ウ゛ァリアー幹部が某路線沿いの丘で埋葬使やってました。でも煩いだろうから言ってやらねー。ミーはそのまま部屋に戻りまーす。 「お゙ぉいフラン!」 「うるさすぎて鼓膜破れましたーなーんも聞こえません」 やっぱやーめた。ボスの部屋へ直行しました。…報告くらいはちゃんとしなければならないですからねー。ああ面倒。 「ボース」 「あ?」 「なまえ先輩の存在確認しましたー」 ミーが部屋に入ったにもかからわず、こちらには一切目をくれなかったボス。しかしミーがなまえ先輩の話を出した途端、書類を持つ左手とペンを持つ右手がぴたりと停止しました。 くそ、なまえ先輩ってそんなにウ゛ァリアーにとってウェイトの大きな人物だったのかよー。ため息ひとつ。 「本当か」 「本当です」 一瞬目を伏せたボスは、次の瞬間立ち上がると書類を机に置きその手で内線を掴みます。ああ隊長おだぶつですー。ざまあ。 「なまえ捜索部隊を今すぐ再召集しろ」 ―あ゙ぁ!?今更何いって 「詳しくはフランに聞けカス」 ―はあ?フランってなん、 隊長の話をはなから無視して、がちゃりと内線を切ったボス。行動の素早さといったらもう、ミーが瞬きしてる間に全部終わっちゃいましたよ。 やっとミーの方に向き直ったボスは、いつになく焦ったように言った。 「俺は捜索部隊に指示を出してくる。お前はスクアーロになまえの居場所の詳細を伝えておけ」 「イエッサー」 ミーがここに、半ば誘拐されて来てからずっとウ゛ァリアーはなまえ先輩の居場所を捜していました。理由なんか知りません。でも確かに、いかに皆がなまえ先輩を必要としているかは伝わってくるのでした。 特に幹部達が、なまえ先輩の消息に対して敏感でしたかね。 ミーはさっき隊長と会った場所へ戻りました。案の定、隊長は捜索部隊再召集に右往左往。若干ギャグでした、傑作です。 「あ、キモロン毛隊長」 「あ゙ぁ!?」 「あ、すいません正直者なのでー」 「…もういい。なまえの居場所を教えろお」 「小○急線の、ウ゛ァリアーアジト最寄り駅から15駅向こうの田舎の駅ですー。その近くにある杉ばっかの雑木林の奥の、」 「ちょっとまて」 「なんです」 「小○急線?」 「ハイ」 「…てめぇどこまで遊びに行ってんだ馬鹿野郎!!」 In イタリア。 ミーは休暇退屈しのぎに、わざわざジャッポーネまで行っていたわけです。だってミルフィオーレとの戦争が終わって、随分暇を持て余していたんでー。 って、ただ毎日毎日うざったい幹部の面々から逃れたかっただけ、なんですけど。 「あんの野郎、ジャッポーネで生きてやがったのか」 「…生きてはいませんよ」 「…は、あ゙?」 「先輩は死にました。今は丘で埋葬使として天使の役を担っています」 ミーはおこりんぼのボスの為にただ、曖昧な表現を使っただけです。「存在確認しました」、嘘ではないです。 生きていなくとも、存在している。ミーは隊長の瞳の奥がざわついたのを見て見ぬ振りして、淡々と述べます。 「逢いたいならジャッポーネ行けウ゛ァリアー幹部共」 当たり前だあと笑った隊長はやけに空元気で胸が痛い。 . [*前へ][次へ#] |