笑って、笑って向日葵(男主×慈郎)
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慈郎を見ていると天使の寝顔ってこんな感じなんだろうなぁって思うんだ。天使なんて見たことないけど、天使みたいな少年なら目の前で気持ち良さそうに日向ぼっこして眠っている。まだ成長期が来てない小柄な体と、金の柔らかい髪が愛らしさを強調しているし、楽しいことを見付けた慈郎は何よりも輝いて見える。

「俺も大概、盲目だよなぁ…」

最近は構いすぎて困ったように笑う慈郎を良く見る、気がする。はっきりとは言わないけれど、鬱陶しいのかもしれない。誰が見ても解る、俺の愛情表現は重い。自覚してる分、直らないことが解っているから余計達が悪い。
白く柔らかい頬を指先で軽くつついたら、ん…と小さく溢して猫みたいに背中を丸めた。慈郎は簡単には起きないのを知っているから出来るイタズラ。折角だからもう少し楽しもうと、今度は薄く開いた桜色の唇をペロリとなめる。ぴくん、と肩が震えた。

「慈郎、可愛い、大好き」
「…ん、誰…名前…?」

眠り姫の目覚めだ。瞼をこする慈郎の腕を握りしめて、おはようのキスをした。もう五限目だけど。

「誰も来ないだろうけど、午後の屋上なんかで無防備に寝てると襲われるぞ。俺に」
「あはは、名前限定なのー?」
「当然。慈郎は俺が守るよ」
「名前は相変わらず王子様だなぁ。でも王子様が襲っちゃ本末転倒だCー」
「良いんだよ、王子様なんだから、お姫様を襲っても。…こんな風に」
「やんっ、も…名前、くすぐったい…」
「俺だけの特権、だろ」

頬から首筋にかけて唇を落としていく。無防備な白い喉元に吸い付いて、赤い印を残した。鎖骨を舐めてると、慈郎が切ない目をして俺の制服の裾をつかむ。

「名前…俺…っ」
「嫌?止めれる自信ないけど…」
「そうじゃなくて…!最近、俺を見るときちょっと躊躇ってる…よね」
「…!」

正直、驚いた。顔や態度に出さないようにしていたのに、まさか慈郎に気付かれるなんて。…慈郎の言う通りだ。いつか拒絶されるんじゃないか、嫌いだと言われるかもしれないと思ってる。そしてそれはもうすぐそこに迫ってきているような気がして。

「俺、名前には笑ってて欲しいよ。ね、笑って」

いつもとは違ってふわりと笑う慈郎が眩しくて、太陽みたいだ。だってこんなに暖かいくて優しい。…うん、太陽しか見えない向日葵、今の俺。

「慈郎が大好きって言ってくれたら」
「ん…名前、だいすき…、っや、あぁっあ…!」

支えていた慈郎の体をコンクリートの上に押し倒して、ベルトとズボンを剥ぎ取り分身を直に抜く。慈郎が最高に可愛くなる瞬間。熱く震えるそれはとても愛しく思えて、ちゅ、と口付けした。慈郎が真っ赤になって何か言ってた気がする。

「ね、気持ちいい?教えて、慈郎」
「あっあ…あん…!俺、きもち、よぉ…っ」
「可愛い」

しがみついてくる慈郎が愛しくて、キスを繰り返すしか出来なかった。それでも慈郎は俺を見て微笑んで、何度も何度も大好きと言った。大好き、が、笑って、と言っているように聞こえて、何だか嬉しくて泣きたくなった。いかん、笑わないと慈郎の機嫌が悪くなる。俺は誤魔化すように慈郎の頬を引き寄せて、幸せ、と囁いた。


3時のおやつ様へ提出。


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