伊達眼鏡が悪い(男主×忍足)
「侑士って何で眼鏡取らねーの?」
「…今なんて」
「何で眼鏡取らねーの?」
「その前や」
「侑士」
「いつの間に名前で呼ぶようになったん」
「細かいことは気にしない」
「ならこの眼鏡も気にすんな」
「その眼鏡は細かくないだろ」
勉強中の軽い息抜きにと思って忍足の伊達眼鏡を話題に出したけど、本人はあまり話す気になれないらしい。教科書に向き直って黙々と勉強を再開する。
「だって気になるだろー。とある筋の情報によると温泉でも外さなかったらしいじゃねーか。これはもうその眼鏡に重大な秘密が隠れてるとしか思えな」
「黙って勉強せえアホ名前、誰のための勉強会やねん」
「…はーい。ごめんなさい」
「進んだんか?…って殆ど終わってないやんか」
「侑士の伊達眼鏡が気になって気になって」
「それ止めや」
「…岳人とカブるから?それとも謙也か?」
覗き込んだら忍足は一瞬眉を寄せた。あ、機嫌悪くなった。なにもしかして俺のせいなのかな。勉強中に無駄口叩くなとか、それとも。
「二人きりの時に他のやつの名前出すな、とか思ってる?」
「っ…」
「お、マジ?当たり?俺ってエスパー」
「まだ何も言うてへんやろ」
「侑士の事なら何でも解るよ。…あいつらはとっくに名前で呼んでるのに、何で俺の事は名前で呼ばないんだろうって思ってたのも」
「…!」
「答え、焦らしプレイが好きだから」
「答えになってへん…。あと、何でも解るんなら伊達眼鏡も察してや」
「人と目を合わせないためだろ」
「名前…」
「でも俺と二人の時は外せよ」
「あっ、こら…!」
隙を狙って眼鏡を奪った。伊達眼鏡なんてなくても忍足は綺麗だ。真っ直ぐに見詰めてくれるのが嬉しくて瞼にキスをする。
「こう言うときは外すのがマナーだろ」
「んっ…アホ、やめ…勉強どないすんねん」
「侑士先生に質問でーす。勉強中なのに何で先生のここは勃っちゃってるんですかあ?」
「ッ!やめ、やぁ…!」
「あ、先生って呼び方に興奮した?侑士のえっち」
「どっちが…!…ん…っ」
ズボンの上からゆるゆると撫でていたら微かに反応を示すのが楽しくて、手のひらでグイグイと押し付ける。そしたら忍足が真っ赤になって熱い吐息を漏らした。
ヤバイ、超えろい。黒目を潤ませるな、俺の理性が崩壊する。
「ぁ、あ…っ、こら…!」
「せんせ、俺赤ちゃんの卵がみたいなぁ」
「や…っ!」
「こうすると出るんだよねぇ?」
「は、ぁんっ…あっ、あっ、やめ…」
ドクドクッと溢れたそれをじっくり観察する。小刻みに震える忍足は、熱いため息をついて、俺を見つめたかと思うと――。
「…っぐふぉお!!」
…俺の大事な息子を踏みつけた。
「アホ!保健体育にこんな問題出るかいな!」
「いってて…ちょ、涙が…、だって悪いのそっちじゃん」
「? 何で…っ」
忍足にずいっと迫って、奪ったままだった眼鏡をかけてやる。
「侑士には暫くツンでいこうと思ってたのに、伊達眼鏡がエロすぎるんだよ!こっちは我慢の限界なんだよ!」
「なっ――!」
…勇気を出して葛藤を告白したのに、何故かその後二つ目の踵が俺の息子を直撃した。不能になったらどうしてくれる。
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