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彼を追い掛け始めて早一年。
これだけ聞くとなんだか好きなスターの追っかけみたいだが断じてそうではない、はずだった。
だった、というのも最近では自分の中で僅かな変化があったからである。
ただそれを口にするとなんだか負けたような気がして癪なのでメロは認めないでいた。


同じ背中を幾度も幾度も追い回し、何度デジャヴを経験したか覚えていない。
最初のうちはそれこそ彼との接触回数を記録にしたりなんてしていたけれど、なんというか、無駄だった。
無意味なのだ。
これほど自分の過去の行動に虚無を感じたことなんて多分なかった。
これからもないだろう。



そんな代わり映えしない毎日が少しずつ日常に変わり、その日常を嫌だと思わなくなりつつあったあの日。







―――あらわれたのだ。
奴らは。





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あきゅろす。
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