6 キッと音が出そうなほど鋭く眼前の男を睨みあげる。 身長差のため見上げる形となるのは癪だがこの際仕方がない。 とにかく自分は退く気が無いということをわからせなくては。 しかしメロは自分が上目遣いをしているということに気付いていない。 「誤魔化さないで下さい!!!証拠はあるんです!!!」 怒り出したメロ。 一方クロスは驚いていた。 おどおどと頼りなかった少年がいきなり自分を睨み上げてきたからだ。 しかも頭を上げたことで見えた顔がまるで女のように美しい。 しかもこの上目遣い。 一瞬自分が怒鳴りつけられていることを忘れてしまった。 というかむしろ 「・・・女?」 「!?なっ・・・!!な、にを言って、るんで、すかっ・・・!!!」 一気に確信をついた。 いきなり言い当てられたメロは気付かない内にだいぶきょどってしまった。 これでは肯定しているようなものである。 「(やっぱりか。)いや、なんとなくな。」 「へ、変なこと聞かないで下さい!!」 「ああ・・・悪かったな。」 早速ばれた。(本人は知らないけど) _ [*前へ][次へ#] |