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そのまま俯いて尚も布団を汚し続けていると奥の方の肩を掴まれた。
そしてそのまま引っ張られる。

びっくりして目を閉じているとぽすりと暖かいものにぶつかった。
何かと思って顔を上げようとすると後頭部を押さえつけられる。
真っ暗で何も見えない。


「変な心配してんなよ。ガキはアホみてーに笑ってりゃいいんだ。」

「…でもぼくは普通のがきじゃない」

自然と言葉が滑り出た。

「耳があって、しっぽがある。爪だってとがってる。」

「……」

「こんなふうだから、ぼくは普通でなんていられないんだ」


だったら生まれたくなんてなかった
その言葉はせり上がってくる嗚咽に消されてしまった。

「…馬鹿なこと考えるな。普通だの普通じゃねーだのつまらねーこと言ってどーするよ。」

「…でも」

「でもじゃねー。お前はこのだだっ広い世界にたった一人しかいねーんだ。それは俺だって同じだし、他の奴らもそうだ。それなのに普通もクソもねーだろうがよ。」

「…」

「だからだな、その、お前が気にするようなことは何一つねーんだよ。」


わかったか、と言ってニンゲン、いやギントキはぼくを覗き込んできた。
幾分強引な説得だったがぼくの涙やさっきまで感じていた恐怖は全て引っ込んでしまっていた。



ギントキの言うあほみてーな笑顔になったかどうかはわからないけど、ぼくは確かに笑った。






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あきゅろす。
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