少女の予感 入学式も無事終了し、晴れて高校生になれたメロ。 受験という名の地獄は終わり、次の大学受験までは暫しの休憩。 3年かけて青春を謳歌しようと思っていた。 思っていた。 のに。 そんな彼女の期待は早々にして崩されてしまったのだった。 〜2,少女の予感〜 入学して早一週間。 人見知りのメロは友達が出来るかどうかはじめのうちは心配だったが小学校からの親友、美紀のおかげでなんとか平和な日々を送っている。 しかし問題が。 ―――――隣の席の彼である。 入学式の日を除けば遅刻もなく授業も比較的真面目に受けているし、整容も目立って悪くはない。 おとなしい性格のようで、クラスの男子と一緒になって馬鹿騒ぎをすることもない。 背は高くて身体つきは細身。 少し茶色っぽい髪の毛は自然な色合いから生まれつきだということがわかる。 容姿も整っていて落ち着いていて 一見、ただただ普通の高校生男子である。 だからこそメロは怖かった。 あの朝に見た青年は確かに彼だった。(その日乱れた服装で遅刻してきたのだから間違いない) 沢山の体格のいい男たちを地に伏していたのは 血溜まりの中一人立ち尽くしていたのは あの時自分と目があったのは この隣りの席の彼―平和島静雄なのだ。 今はおとなしくしているがそれは演技かもしれない。 自分を目が合ったときの人物だと忘れたふりをしているだけかもしれない。 それで油断させておいていきなり自分を始末するかもしれない。 とにかくメロは恐れていた。 おとなしいだけが彼ではない。 あの朝の人物も同じく彼なのだ。 ――――いつか絶対何かおこる・・・!! メロの嫌な予感はこの後的中することになる。 * [*前へ][次へ#] |