愛狂表現
「はい、どーぞv」
ハート付きの台詞を次ぎながら最上級の笑顔を見せる八戒さん。
私はぎこちなく、差し出されるラッピングされた袋を受けとれば促されるままに袋を開けた。
「…なんですか、コレ」
「クリスマスプレゼントですよv」
「……」
ベタと言うかなんと言うか。
渡されたのは、ミニすぎなサンタクロース風のワンピース。
きちんと、赤のオーバーニー付き。
「今から着て下さい」
「着れるか!」
「……へぇ、居候の分際で…」
「着ます!喜んで着させて頂きますっ」
「解ればいいんですよ、解れば」
ニッコリ、と黒い影が八戒さんから見えればゲッソリしながらプレゼントを抱え着替えるべく脱衣場へ向かった。
「着替えましたー?」
「……き、着替えました…けど…」
み、短い…!
屈んだら丸見えなんですけど?!
必死でワンピースの裾を押さえるも、出るのが恥ずかしくて脱衣場で尻込みしていれば軽々と八戒さんが侵入し私を上から下まで眺めると口許を吊り上げた。
「お似合いですよ、すごく」
「……ありがとうございます…。」
脱ぎたい。
しかしこの有無を言わせないいい笑顔に私は溜め息をつく事しか出来なかった。
促されるままに、居間に戻れば目を瞬かせた。
「わぁ…!」
「クリスマス、ですからね。ケーキ買って来たんです。」
「八戒さん…!」
とんだ変態野郎で腹黒くて、表面だけの優しさだけど。
まさかこんなサプライズをして貰えるなど思っておらず、思わず目を輝かせた。
「それと、これもクリスマスプレゼントです。」
シャラリ、と首元に冷たい感触。
下を向けば、小さな宝石があしらわれた可愛いネックレスで。
八戒さんの顔を見れば、八戒さんはただ優しく微笑んでいた。
嗚呼、なんだこの人本当はいい人だったんだ。
「ありがとうござ「似合いますよ?さすがは僕のペットです」…え?」
「ペットには首輪が必要でしょ?」
やっぱり前言撤回。
彼はただの変態でした。
サンタマリアの嘆き
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