輝く太陽の下で
「…ねぇ、」
昼休み。
もう日課となってしまった雀呂が作ってくれたお弁当のおかず(ご丁寧にタコさんの形にしてあるウインナー)をつつきながら珍しく私から声を掛けた。
「んぐ、なんだ?」
「…雀呂ってロリ巨乳萌えなの?」
「ぶふっ」
私の問いに折角、飲み込んでいたきんぴらごぼうを盛大に吹出す雀呂にあぁ、本当なんだなぁとどこか淋しく思いながら確信した。
「何故それを知っている?!」
「…クラスメイトの子が言ってたの。雀呂はロリ巨乳で笑顔が可愛い子が好きだ、って」
わざと私の目の前で。
その子の目が何故私なんだと訴えていた。
「…そうか」
雀呂が頬を赤らめて咳払いをするのを見つめてあぁ、雀呂の好きなタイプなんて知ってどうしてこんなにも胸が苦しくなるんだろうと考えた。
きっとそれは子供染みた独占欲の表れなんだろうなと自分の今までに無かった感情に嫌悪を抱くと紛らわす様に今度は綺麗に作られた卵焼きを口にいれた。
「雀呂、笑顔が可愛い子がいいんだね…」
「?あぁ、」
いつか雀呂にできる好きな子を想像して私は悲しくなる。
私は笑顔など滅多に見せないし笑顔が可愛いなど言われた事ないから(きっと雀呂の恋愛対象にはならない)
雀呂がいつか好きになる子に今から嫉妬したって意味ないけど。
「そこまで聞いたならもう解っているだろうな!」
いきなり雀呂が話しかけてくる。(なんだか雀呂、ほっぺが妙に赤い)
なんの事だかさっぱりわからなくて私は首を傾げた。
「…いや、いい。忘れてくれ」
落胆したような声で言う雀呂に私は変なの、と小さく零した。
「…雀呂が好きな子作ったらこうして一緒にご飯食べれなくなるね」
それはちょっと寂しいなぁ、と勝手な事を思いながら空になったお弁当箱(正確に言えば重箱。重箱に作って2人でつついてるから)をしまった。
「俺はお前と飯食べるの、止める気は無いがな!」
雀呂が急に声高らかに告げるから驚いたけれど。
言葉の意味を理解すれば嬉しくて無意識に私は笑った。
「……鈍感」
「…今なにか言った?」
ボソリと雀呂がなにか言った気がしたから私が尋ねたら雀呂は別に!としまったお弁当箱を私から取り上げ教室に戻るぞ、と歩き出した。
(遠回しの告白も)
(笑顔が可愛いのも)
(気付いてない、鈍感女)
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