心が壊れた音がしたんだ(0004)
きしり、きしりと重い気持ちを抱えきれずに軋む心に心が悲鳴をあげた。
この思いが、痛い。
この思いが、辛い。
この思いが、愛しい――
愛憎の象徴は、まるで私を嘲笑う様に口許を歪めた。
「残念だけど、僕は君が嫌いだよ」
その一言に思いが砕け散る。
解りきってた事だった。
筈、なのに……。
涙さえでずに私はただ去り行く背中を見つめた。
追いかける事は許されない。
もう彼を愛してはならない。
ぴきり、とどこかで罅の入った音が聞こえた。
それが心が壊れる音だと気付いた時――
私は狂った様に慟哭した。
(あ、うあああ…っ!)
(正常な君はイラナイ。)
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