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私の終焉

(死ねた注意)


「う、こく?」

倒れてる赤に染まった物体。
呼びなれた彼の名を呼ぶも彼はぴくりともしない。

「うこく…」

もう1度、呼ぶ。
愛しい彼の名を。
それでも彼は動かない。

「嘘、でしょ…」

赤に染まった身体に触れた。
彼を包む漆黒にも染み渡っているそれは私に付着し手を真っ赤に染めた。

「ね、烏哭…」

閉じられたままの瞳。
安らかな、顔の彼にすがりつく。
服が汚れても、気にせずに。

「…やだ、」

信じられない。
信じたくない、
彼が


死んでる


なんて…。


「いやぁぁぁあ!」

叫び、叫び、叫び。
私は泣き崩れた。

「…置いて行かないで…」

枯れた声で呟けば護身用に身に着けていた銃をこめかみに向けた。

「烏哭…愛してる…」

ためらいもなく引き金をひく。
追いかけなきゃ、彼は1人で笑う様に泣いていた。だから私が傍に居るって決めたのだから。

冷たくなった身体を寄り添わせる2人。
それを嘲笑う様に鴉が鳴いていた。




(死にたがりの貴方の終焉)
(それは私の終焉になる)





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