作戦のメモ 私は、今日からの居候達を踏まないように乗り越え…ごめん伊達さんの兜邪魔。 目的の部屋に到着。 ここで彼らを迎え撃つ。 「まさか、ここで戦うとはね…」 我が策ながら傑作である。 いろいろ準備をして… いざ臨戦態勢。 起きない。 なかなか起きない。 いや、時間を有効に使おう。 彼らとの最初の攻防を脳内でシュミレーションしよう。 最初の一撃さえ躱せばもはや私の手の上よ。 「あ、毛利さんは来てなかったな」 大丈夫。 私の予習のメモによると遅れて登場する人が必ずいるはず。 「元親さんと来てくれるかな」 …本当に早く起きてください。 ふらふらしてきました。 ずいぶん経った。 脳内シュミレーションは、彼らが親に見つかるところまで進んだ。 まだ起きないのか! いい加減ネタ切れ、というところで、人の声が聞こえてきた。 「旦那、起きて」 やはり猿飛さんか。 来い。 「政宗様、お起き下され」 さぁ来い。 「…ah-。小十郎?」 カモーン。 「佐助?ここはどこだ!?」 さぁさぁ参られよ。 「なっ!なんでテメェらがここにっ」 後、後。後にしなさい。 「政宗殿!?」 「HA!ここで会ったが百年だ」 こらこらこら。 「ちょーっと待って。真田の旦那に竜の旦那」 そうそうそう。 「ここ何処なわけ?」 偉いぞぉ。偉いっ! 「…知るかよ」 ほーらこっちよ。 「…」 おいでーおいでー。 「人の気配がするな」 やっべ。 片倉さんいい人すぎ。 小声になっていく。 もう聞き取れない。 ――来るか。(やっと) 私はわざと音を立てる。 ちゃぷん… それを合図に男たちが乗り込んできた。 ドア、粉砕。 お湯に潜り、破片から逃れる。 ちゃぷ…ちゃぷ… ただお湯が揺れる音だけが浴室に響く。 「…」 「………」 ここで、 「きゃああああああ」 悲鳴(私の)。 先陣部隊、猿飛佐助・片倉小十郎(予定通り)硬直。 「っ失礼した!」 片倉小十郎、撤退。 「アハー…湯浴み中に悪いね」 デリカシーと言うものが本当にないんですね。 猿飛さんはクナイを構えて入り口に立ち続ける。 あなたは平気でも… 「誰かー!!」 助けを求める。 「何をしておる佐助!!」 来たっ!! 後続部隊、真田幸村。 「は、破廉恥でごさるううううぅううぅうぅぅぅっっっ!!!!」 はいどーも! 真田幸村、最高。 「ちょ、旦那!!」 猿飛さんの武器を、猿飛さんごと奪い、逃走。 猿飛佐助、撃破。 「おい!小十郎!なんだ?What's happen!?」 「いけません政宗様!」 伊達政宗、出陣不能。 勝利? 入浴剤で白く濁ったお湯に、下着を着て、バスタオルを巻いて浸かっているだけなのに。 自分が女でよかったと思った。 「今なら竹中さんと張り合えるわ」 あ、彼も来てない。 今はまだこの4人だけだ。 にしても… 「長風呂だったわ…」 脱衣場の時計を見ると、三時間が経過していた。 *前次# [戻る] |