今日は阿部さま
管理人の心意気はハルアベですが、どう考えてもアベハル
「俺んち、来ますか?」
そう言ったのは確かに隆也だった。なのに。なのに、なぜ隆也は今ベッドでぐっすり眠っているんだ?
これはあれだろうか、無抵抗の俺を好きにしてぇ!みたいな。
寝てるうちにいたずらしちゃって、やっと起きたらあん、ああんみたいな。
「タカヤー?」
「…」
「たぁかやくーん?」
「…」
「寝てますかー?」
「…起きてまーす」
「起きてんじゃねぇか!」
むくりと起きあがった隆也は「起きてますけど?」憮然として言い放った。なぜ、タヌキ寝入りをしていた、そしてなんでそんな偉そうなんだ。
「なんで寝たふりしてんだよ」
「別に…」
お前はエリカ様か。
「今日ね。花井と水谷とあんま話さなかったんですよ」
誰だ、花井と水谷。あんま話さなかったって何だ。話さなくていいだろ。話せなくしてやろうか。
「だからね、フラストレーションが、溜・ま・っ・ち・ゃ・っ・て!」
ぶるぶる震えだした隆也から、黒いオーラがあふれ出した。心なしか、髪の毛が逆立って角みたいなものも見える気がする。魔王?
「だから、元希さんに会いたくなって」
多少理由に引っかかるが、濡れた目で見つめられると心が弾んだ。
「タカ…」
「舐めてくれません?」
「は」
「二度も言わなきゃいけません?恥ずかしいな。だから舐めろって言ってんっすけど」
恥ずかしいって態度じゃねぇぞそれ。
「いいじゃないですか。いっつもいっつも、勝手に舐めてるでしょ?べろんべろん…」
舐めてるよ。お前の感じてるとこ大好きだもん。でも俺は弱ってるお前が可愛くて舐めてるのであって、んなテンガみたいなことしたかねーんだよ。
「あ、じゃあ舐めあいっこしようぜ」
69したい。
「いやです」
即答かよ!
「なんで俺がそんなことしなきゃなんねんすか」
俺お前に『そんなこと』しろって言われたんですけど。
「…俺、帰る」
ドタマにきた。
テンガ扱いされて「うん、しかたないな〜」なんて、大人しくしてられるか。
「じゃあな」
「待って!」
焦ったように、腕を掴まれた。そうそう、隆也はこうやって俺を呼び止めてるべきなんだよ。
「なに?」
「…帰ったらどうなるか、わかってんだろうな?」
隆也の顔には不自然な影が映り、目つきの悪さを深めている。なんなんだ今日のお前は。魔王なのか。帰ったらどうなるんだ。
「たかや」
わかったよ。今日はお前の性奴にでも何でもなってやる。俺もいろいろやってもらってるし。
でも、覚えておけ。よーく、よぅく覚えておけ。あとで三倍返しだかんな。あ、今からも三倍返しにする。
いやって言っても舐めまくってやるからな。
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