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■青天の霹靂
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―ピリピリピリ―

 枕元に置いてある携帯電話の鳴る音で、私は目を覚ました。
 仕事は休み。ゆっくり朝寝が出来ると思ってたのに…誰だ、こんな朝早く。

 手を伸ばして電話を取り、表示パネルを見る。番号通知は見覚えのある番号…。会社か。

「もしもし。」

 寝起きの低い声で電話を取ると、

『おはようございます、村西です。』

という、花緒の声が聞こえてきた。

『主任、寝てました?』

「寝てたわよ、休みだもん。で、何かあったの?」

 会社から電話ってことは、何かトラブルがあったとか、そういうことがほとんど。
 なんで私にかけてくるんだ?うちの店にはれっきとした、所長という人物がいるのに。

『その所長がですね、入院したみたいなんです。』

 と、花緒は言った。何だと?!

『詳しいことはあたしもわかんないんですけど、とりあえず市民病院に入院してるそうなんです。常務も行くとか言ってましたんで、主任もちょっと様子見てきてくれませんか?』

 次から次へと、何でこう問題が起こるんだ?所長が入院なんて、店のトップがいないと何かと大変だし、長期入院となってくると仕事のローテーションも狂ってくるのに…。

 でも、一応所長の容態も気になるので、私は病院へと向かった。



「主任、休みやったのに、すまんのー。」

 所長は私が行くと、ちょっと疲れた笑顔でそう言った。
 となりには山下常務がいる。社長の弟で、うちの会社で二番目に偉い奴。

「青木、店の方は大丈夫なのか?」

 その山下常務が、私に言う。

「はい。村西さんとアルバイトとで、なんとかなるそうです。」

 あたしが言ったあと、常務は所長に向かって、

「なんとかなるそうだ。天神町はみんなしっかりしてて、よかったな西本君。じゃ、わしは先に失礼させてもらう。ゆっくり休めよ。」

と、笑顔で言う。そして再び私の方を向き、

「青木、ちょっと話がある。」

そう言って、私を廊下へと連れ出した。

「西本君な、ちょっとよくないらしくて、長期入院ってことになるそうなんだ。」

 常務は小声でそう言う。そして続けた。

「そこでだ、所長代理ってことで青木、お前が天神町をしきってくれ。」

 何だって?!所長代理?!!

「わ、私がですか?」

「お前以外に誰がいるんだ?天神町はうちでも大きい所だから、慣れていないと大変なんだ。ま、よろしく頼むぞ。」

 山下常務はそれだけ言い残して、逃げるように去って行った。

 そ、そんなー。


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