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■青天の霹靂
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 数日後。昼から出勤すると、花緒がにこにこと近づいてきた。

「おはよーございます、主任。本社から辞令が来てますよ。」

 そう言って一枚のFAXを渡してくる。

―天神町SS主任、青木美恵子 7月1日を以って天神町SS所長に任命する―

 …ついに来たか。
 この間、常務にそれとなく言われてたから、驚きはしないけど…正直言ってめんどくさい。
 でも、私が所長ってことは、現所長はどうなるんだ?

 私はもう一度、その紙をよく見る。私の辞令の下に、もう一つ。

―退職 天神町SS 西本重弘所長 6月30日を以って依願退職とする―

「えー!!」

 私は思わず叫び声をあげた。

「所長、辞めちゃうんですね。そんなに身体悪いのかな?この間まで元気だったのに。」

 花緒が言う。私もそんな話、聞いてないぞ。

 その時。タイミングよく山下常務が現れた。

「おー、おはよーさん。」

 なんてのん気に。私はそんな常務に突っかかって行った。

「常務!どういう事ですか?これ。」

 と、さっきの辞令を突きつける。

「あ、それな。西本君、下手すりゃ定年の来年まで、入院するかもしれないんだ。だから引退して、あとは青木に任すって言ってたぞ。」

 任すって言ったって…こんな大きいSS、いきなり任せられても…。
 他のSSの所長の方が、よっぽど良いんじゃないの?
 事実上責任者と、実際責任者では、立場も仕事内容も全然違うし、何より文字通り、全責任がかかってくるわけで…。
 しかも西本所長抜きで!

 ここしばらく、所長代理という事で、色々な仕事をしてきたけれど、いざという時には所長がいた。
 分からなかったら教えてもらったり、手伝ってもらったり。それをなくして、私一人がやらなきゃならんのか?

「青木、こんな事頼めるの、お前だけなんだ。他の奴には任せられない。西本君からも、そう言われてるしな。」


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