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移したらいいんですよ、そんな風邪 柳生


「あーだるい…」



もうすぐテニスの試合があるというのに風邪を引いてしまった

別に珍しいことじゃないけど(てか、よくある)


今回の原因はあのペテン師と自称天才があたしに向かって水鉄砲を連射したこと
(アイツら治ったら殺す…!)



ズキズキと頭が痛くなる
あーもう死ぬかも、なんて思っていたら突然部屋のドアが開いた




「なまえさん大丈夫ですか?」

「やぎゅ…」



お見舞いに来ましたよ。て言いながらフルーツの盛り合わせを見せてくれた
たかが風邪にフルーツの盛り合わせってどうなんだ?と思いながら有り難く頂いた



「具合はどうですか?」


「頭が痛いのと少しばかりの殺意が…」


「…そうですか」




にっこりと微笑んでスルーされた


「てか、やぎゅどうしたの?」


「だからお見舞いですよ」


「いやいや、部活は?」


「幸村くんには許可を取ったので大丈夫です」


「そ、そう」




幸村が許可したなら大丈夫だよね?
後で殺されないよね?

今までの恐怖が走馬灯のように流れてきた



「顔色が悪いですね…ちょっと失礼します」


「え」





こつん と私のおでこに柳生のおでこがあてられた
鼻先が触れるか触れないかくらい柳生の顔が近くてもう頭がおかしくなりそうだった




「やはり少し熱がありますね」


「や、やぎゅ、近、い」


「あぁ、すいません。」



「体温計がどこにあるのかわからなかったので」にっこり笑って乱れた前髪を直してくれた




「あの、風邪が移るからもういいよ?」


「そんなこと気にしなくていいですよ」




いやいや!少しは気にしてよ!
柳生がいたら私がもたないよ…



「それに、」


「え?」


「移したら治るそうですよ」



そう言って眼鏡を外しながら顔を近づけてきた



え、ええぇぇ っ


ちょ、そんな…っ




「なんて、すると思いました?」





冗談ですよ、そう言って眼鏡をかけ直した


柳生がそんな冗談言うなんて質が悪い!
まさか…仁王とかじゃないよね?




「私は仁王君ではありませんよ」


「…だよねー。アイツは自分が原因だろうとお見舞いになんか来ないよね!」


「仁王君が原因で風邪引いたんですか…?」


「え?…まぁ」


「そうですか、なら」





移したらいいですよ、そんな風邪
(んっ…はぁっ)
(やっぱりキスするときに眼鏡は邪魔ですね)
(外さなくていいか…!んっ)


((仁王君にはお仕置きが必要ですね…))
(なんじゃ寒気が…)

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