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ミモザアカシア 仁王

「まさ、」


部屋で座って雑誌を読んでいるまさの名前を読んで横に座る


「どうしたんじゃ」

「最近ね、私おかしいの」

「…?」

「まさを見ると胸が苦しくなる」

「なまえ、」

「ねぇ、まさも私見たら苦しくなる?」


ほら、双子は以心伝心してるって言うし、と言うなまえは酷く 苦しそうで今にも消えてしまいそうだった


「きっとこの気持ちは誰もわかってくれない 」


本当はね、わかってるんだよ
こんなにも胸が苦しくなるのはあなたのせい
私がまさを好きだから
双子なのに 兄妹なのに
それでもまさが好き


「なまえ…」


苦しそうに それでいて綺麗なまさの表情は今まで以上に
私を苦しめた


ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
好きになってごめんなさい


そんな思いが溢れて涙が止まらない
次から次へと流れてはまさのズボンを濡らしていく

自分がどうしたいのかわからなくなって
まさから離れようと思ったらいきなり抱きしめられた

まるで大丈夫だと言わんばかりに強く それでいて優しいまさの腕の中は安心してしまう
私はここにいて良いんだと思わせてくれる



「のぅ、なまえ」


ふいに名前を呼ばれ上を向くと
とても優しい表情をしたまさと目があった


「俺も苦しい、でも…」

「まさ、?」

「なまえが泣いとるほうがよっぽど嫌なんじゃ」


そう言ったまさはさっきとは違って泣きそうな顔をしていて

そんなまさをみて私まで泣きたくなって 胸が潰れそうなくらい、苦しくなった


「なまえ、この苦しみを俺は知っとる」


それを聞く覚悟はあるか?



きっとその言葉を聞けば後戻りは出来なくなる
ねぇ、まさあなたはどこまでも優しいのね
でもね、私はもう



「覚悟なんて出来てるよ」


にっこり笑って告げた瞬間
唇に柔らかい感触

目を開ければまさの綺麗な顔が目の前にあった



「好きじゃ なまえのことがどうしても好きなんじゃっ」


そう言ってもう一度キスをする

まるで世界が私たちだけのように思えた
誰にも邪魔されない、二人だけの世界


戻れないとわかっていても
まさがいれば私は幸せなんだよ


ミモザアカシア
(それは秘密の恋)




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