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晋助、ムラムラと戦うの巻


浅田の家に来てからかれこれもう1時間は経った。


…全く、勉強なんてできていない。まぁ、始めっから予想はできていたけど。


今のところちゃんとしているのは浅田と土方、それと俺。


『でー、ここはこうなって〜……ね?分かった?』


「おぉ、めっちゃ分かった!すげェな、やっぱ!」


『そんなことないって!土方くんの理解力がいいんだって言ったじゃん!』


…なのに、真面目にしているはずなのに。


なんで俺は、放置されてるんだ?これが俗にいう放置プレイ?


オイ、俺はMじゃねェぞ。かと言ってドMでもねェぞ。勘違いすんな。


つーか土方くんよォ…俺が浅田のこと好きって知ってんだよな?な?


だったらもうちょい…なんか、気を回してくれてもいいじゃねーか…。


…なんて、勉強にそんなこと関係ねェか。


『よっし…一応全部教えたからね!これで80点以上とれなかったら許さないよ〜』


「えっ、マジかよ!まぁ頑張ってみるわ。」


『うん!頑張って!土方くんなら大丈夫、いけるよ!』


「おう、サンキューな。…んで、高杉は教えてもらわなくていいのか?」


「うおっ…びっくりしたっ…!」


「は?なにを?」


ニヤリと笑いながらそう聞いてくる土方は確信犯だ。…くっそ、余裕ねェ俺だっせー…!


『うっ…え…っと、あのっ…あたしでいいなら、教えるけど…!』


「あ、あぁ…その…浅田がい、いいなら…教えてほしい、なぁ〜…なんて…」


やっぱりさっきの俺、調子に乗ってました。すみませんでした。


だから土方!ヘルプミ…っていねェし!


キョロキョロと土方を探してみればアイツはもう他の奴らの輪の中に入っていた。


…行動早ェな。ていうかアイツらなにしに来たんだよ…土方以外勉強してねェじゃねーか。


『…あの、高杉くん。勉強…する?』


「おっ…お前は、いいのか…?」


『うん、全然いいよ!むしろ分からないとこがあるならどんどん聞いて!ね?』


ね?、と言って笑った顔を見て心臓が急激に動き始めた。何かが刺さった気もした。


…天使の矢か?恋のキューピッドの矢か?とりあえずキュンってなったのは間違いない。


「じゃあ…俺さ、国語で分かんねェとこあんだけど…」


『ん?国語?国語はね、コツさえ掴めばすぐにできるようになるよ!案外難しくないの。』


「そうなのか?その…古文のとこ、なんだけど。」


『あぁ〜、古文ね!あたしも苦手だった〜!え〜と…どのへん?』


そう言って俺の方に近づいてきた浅田に激しくドキドキする。


…あ、やばい。浅田めっちゃいい匂い。シャンプーとかじゃなく、自然なコイツの匂いがする。


む、ムラムラっ…!とりあえずやばい、俺だって健全な男子なんだ!やばい!


横に流れてくる髪の毛を耳にかける仕草とか…キュンポイント高いだろ!


うっわ…浅田手ちっせェ…だから背も低いんじゃねェの?


いやいや…その小ささが何とも言えん。なんていうか…守ってやりたくなる!


『…で、こう!高杉くん、分かった?』


「あ、お、おう…!分かった!めっちゃ分かりやすい!」


『ほんとに?!よかったぁ〜!』


おいおいおいおいぃぃぃ!それはダメだろ!禁止だろ!下から覗き込むなぁぁぁっ!


好きな奴の上目遣いに男子がどれだけ弱いか知らねーだろ?!もうやっべェんだぞ!ムラムラとの戦いなんだ!


『あ、高杉くん、髪の毛にゴミついてるよ。』


そう言ってひょいっ、と伸びてきた白くて細い腕。俺の頭を触る小さな手。


……やべ、鼻血出てねーかな俺。なんか鼻が熱くなってきたんだけど…大丈夫かな俺。


『どうかした?なんか汗すごいけど…大丈夫?』


「だだだ大丈夫だ!」


そっか、なんて言いながら再び机に向かった浅田。


とりあえず安心…これ以上ムラムラしたらとにかくやばい。いろんな意味で嫌われる。


ほっとため息をついて俺ももう一度机に向かおうとしたそのとき、突然浅田が立ちあがった。


何かを手に持って戻ってきた浅田は笑顔で俺に話しかけてきた。


『高杉くん!』


「あ、あァ?」


『この間高杉くんがくれた飴あるでしょ?あれね、おいしかったから探して買ってみたんだ!』


「…そんなにか?」


『うん!すっごいおいしかったよ!だからね、高杉くんにもあげる!』


そう言ってはい、と浅田が飴を渡してくる際に、俺は見てはいけないものを見てしまった。


……少し屈んで俺に飴を渡してくる浅田…の服の間から見えた…


『あれ?…高杉くん…?どうしたの?え?!…ちょっ…みんなぁ!高杉くんが倒れたぁぁ!』


「………と、とりあえず、」


ムラムラします。



あきゅろす。
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