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乙女、青春を腐心せよ(腐女子連載 長編)
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「臨時マネージャーになりました苗字です。よろしくお願いしまーす。」

今日は私の臨時マネージャーデビューの日。天気も良く、素晴らしいデビュー日和である。
総勢200人の男の子の前で挨拶する機会なんてこの先ないだろうな。
いやー、貴重な体験サンキュー!と思いながら部長である跡部さんの元へ行く。

指示出しが終わった跡部さんに着いてこいと言われ後をついて行く。
そして部室でマネージャー業の内容を教えてもらう。
マネージャーの仕事はドリンク作り、タオルなどの汚れ物の洗濯、怪我の応急処置、部室の掃除などをメインにスコア付けやタイムキーパーなどをするらしい。結構仕事があるがまあ大丈夫だろう。やり方は大体分かると言うと後は任せると言って部室を出ていった。
さて、まずはドリンクでも作ろう。

とりあえず今日はいつも使っているという市販の粉で標準のものを作る。本当は手作りのものがいいのだが今日は材料がない。それに飲んだ時に好みなどを聞けば明日からは調整できるだろう。
200人分の粉と氷ををささっとボトルに入れる。
官兵衛の真似をして鍛えた小生腕を舐めるなよ!このくらい御茶の子さいさいだ!
ふはははは!と笑いながら粉を混ぜるためにボトルを振っていく。

流石に200人分を作るのには時間がかかってしまった。やっべー、と急いでクーラーボックスにドリンクを入れて肩にかける。
ドリンクを持っていくと、ちょうど跡部さんはベンチで試合を見ていたのでドリンクを渡す。

「思ったより遅かったじゃねーの、あーん?何かわかんないことでもあったか?」

「ごめんなさいね。別に分からないことはありませんでしたよ。明日からはスピード上げます。で?作ったのを配ってくればいいんですかね?」

「ああ。ってお前、部員全員分作ったのか?」

「え?そうですけど、ダメでした?」

「いや、今までドリンクが必要なのはレギュラーと準レギュラーだけだったからな。平の奴らには各自で用意させている。」

なんと。200本もドリンクを作ったというのに、私の努力は無駄だったというのか。何それ、ヘコむ。
ガーンという効果音がつきそうな私に跡部さんが言った。

「もし可能なら明日から全員分作って欲しい。あいつらもその方が喜ぶだろう。」

「それは全然いいんですけど。何かすみませんね。」

「いや、むしろ有り難い。まさかお前がこんなに出来ると思わなかったからな。さっきは遅いとか言ったが、それなら仕事が早すぎるくらいだ。何か必要なものがあれば遠慮なく言ってくれ。」

「あ、それなら飲んだ後に感想頂けます?もう少し甘いのがいいとか、さっぱりがいいとか。言ってもらえれば調整するので。あと、もし良ければ明日からは粉じゃなくてレモンとかで作った方に変更してもいいですか?そっちの方が体にもいいし、コストも低いんで。」

「ほぉ。お前、やるな。いいだろう。そのへんはお前に任せる。」

もう少しさっぱりしたのがいいな。
そう言って跡部さんはコートに入っていった。

その後はランニング中の平部員達にタオルとドリンクを渡していく。
どうだ女子マネージャーだぞ〜。
浅倉南ちゃんと同じ女子マネージャーだぞ〜。
これで私が美少女なら完璧なのだが、残念ながら私にそこまでの要素はない。
しかし彼らはそれでも女子マネージャーという存在が嬉しいのだろう。
物凄くいい反応をしてくれる。
やはり人数が多くて大変なので明日からはジャグで大量に持ってくることにしよう。

その後は洗濯とボール拾いをして今日の部活は終了した。
このあとはレギュラーとマネージャーでのミーティングがあるらしい。持っているボールを片付けて急いで部室に向かった。


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あきゅろす。
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