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獄綱
さようなら
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*注意書き*

始めに、この話の注意事項を少々書かせてください!←

とりあえず、死ネタ注意です!ストーリー無視(?)気味です!

設定は、ツナが獄寺を「右腕」と認めてからの10年後のお話です。
いつも通りの駄文ですが、よかったらどうぞw

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もうすぐ列車が発車する頃という夕暮れ時、ボンゴレファミリーのボス、綱吉とその右腕、隼人が少し多めの荷物を列車に詰め込みながら思い出話を話していた。



「本当、この10年間色んな事があったよね」

「はい」

「…あ、もう発車する時間だ」


綱吉が腕の時計の針を確認する。



「それでは十代目、お気をつけて」

「うん、行って来るよ。隼人」





今日は綱吉1人で、古くからの友人に会いに行く事になっていた。
隼人も一緒に行くはずだったのだが、今日中に仕上げなければいけない資料があると言う事で、綱吉1人で行く事になったのだ。



「お土産買ってくるね」

「はい。楽しみにしています」





列車のドアが閉まり、綱吉が列車の中から隼人に手を振った。






***




「綱吉君、君はこの2日間この部屋を使ってくれ」

「はい、お世話になります」

「何堅い事を言っているのだね。君と私との仲ではないかっ」


白髪の老人は、はははっと白い歯を見せながら軽快に笑うと部屋を出て行った。




「全然昔からあの人は変わってないな。でも…」




綱吉が広い部屋を見渡しながらため息をつく。





「やっぱり1人じゃ、さみしい気がする…」




この10年間、綱吉の隣にはいつも隼人がいた。
こうやって離れて2日間過ごすのは、すごく久しぶりだった。




「隼人…何してるだろう?」







―ガチャッ…!!!!



急にさっき閉めたばかりの部屋のドアが、ものすごい勢いで開いた。





「つ、綱吉君!!大変だっ!!獄寺君が、射殺されたらしい…!!」




古き友人は額に汗を光らせ、息を切らしながらも、途切れ途切れに綱吉にはっきりとそう伝えた。







「…えっ……?」




一瞬、綱吉の目の前が真っ暗になった。





「1ヶ月前にボンゴレと手を組んだファミリーが、裏切って城に乗り込んできたそうだ…」

「…裏切っ……」

「…そこで1番に気づいた獄寺君は、自分が犠牲になって城への侵入を防いだらしい…」





白髪の老人の目は足元を見ながらも、嘘をついているような感じではない。




「…そ、…んな…っ……」







***



―1ヶ月前…



ある良い噂を聞かないファミリーが、綱吉に手を組もうと言い出だしてきた。


「十代目、あのファミリーとは手を組まないほうが…」



「昔は色々していたみたいだけど、最近は何も事件を起こしていないんだ。信じていいと思う」



「…十代目がそうおっしゃるのなら…」




隼人の反対を押し切って、綱吉はそのファミリーと手を組む事を承知した。






***



「俺が…隼人の言うとおりにしていれば……もっと、…よく考えていれ、ば……」





綱吉はまだ混乱した頭のまま、1度皆が集まっている城へ向かう事にした。






―2時間後、城…




「…ツナっ!!!」



城へ着いた綱吉に山本が駆け寄ってきた。



「…山本…。隼人…は…?」


「…―っ……」





山本の歯を食いしばる姿を見て、綱吉は改めて状況を受け入れざるをえなかった。





「ツナ、手紙が置いてあったんだ」



綱吉と山本の元へリボーンが、1通の白い封筒を持ってやって来た。






『親愛なる十代目へ―』




「…っ隼人…!!!」




封筒の表に書かれてあった字は、紛れも無くいつも目にしていた隼人の字だった。









***



親愛なる十代目へ



勝手な行動、お許し下さい。

しかし、今の俺にはこうするしかなかったのです。




正直な気持ちを言うと、

最後にもう1度だけ十代目のお姿を目にしたかったです。



ですが、後悔はしていません。

こういった形で、貴方と貴方の大事なモノを守れたのですから…。




十代目の最後の最後まで隣でお守りする事ができなくて、すみません。




十代目が俺を「右腕」と認めてくださってから十年間、今日まで貴方の側にいられて、本当に毎日幸せでした。



貴方と過ごした時間は、俺の一生の誇りです。





沢田綱吉さん、


俺は貴方を出会ったときからずっと…



愛していました。





獄寺隼人



***






「―…っ…ぅ、…うぁぁああぁぁ!!!!!」




封筒の中の2枚にわたる文を読み終えた綱吉は、近くにあったガラスの破片で自分の手首を切ろうとした。




「ツナっ!!!!!やめろっ!!!獄寺はそんな事願ってねーぞ!?」

「……っう、……っ……」



山本が綱吉の腕を掴み、ガラスの破片を投げ捨てる。






「そうだぞツナ。お前ぇーは、獄寺が命がけで守ったボンゴレファミリーのボスだろ」




リボーンが綱吉の頭の上をぽんぽんっと2回軽く叩くと、「階段を見てみろ」と言った。








「沢田綱吉、君が死んだら僕の暇つぶし相手、誰がやるの?」



「沢田!お前はまだ死ぬべきではないぞっ!!!」





綱吉の元へ、ボンゴレの守護者たちが駆け寄ってきた。





「……っ、…みん、なっ……」





綱吉が立ち上がると、リボーンが綱吉と目を合わせる。







「ツナ、お前ぇーは生きなきゃいけねーんだよ」







外から鳥が飛び立つ音が聞こえた。



その瞬間、風がドアから入ってきた。
その風はまるで、いつも綱吉を優しく包み込む愛しい人の腕の中のように、綱吉を包み込んだ。





*end*




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あきゅろす。
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