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不良×虐められっ子2
〜小夏side〜
「名前は?」
「……っえ?」
「な、ま、え」
「…………ッ??」
彼が近付けば皆端へと移動してしまう程、誰もが絡まれたくない不良、佐伯氷里に抱き着いてしまった日から二週間が経った。
「だからお前に今日掃除押し付けたヤツ、名前なんていうの。」
「……っき、今日は…僕が、当番の日…だから…」
「…………そうか。」
抱き着いてしまった次の日からも、佐伯くんは今までのように僕が掃除をしていると絡んでくる。
「………あ、あのっ、」
「何?」
「!……、な何でもない、です……」
二週間。
そう、二週間経ってしまったのだ。
実はあの日の御礼をまだ佐伯くんに言えていなかったりする。
何度も言おうと声を掛けるも、いざ佐伯くんの金髪や不機嫌な顔を見てしまうと何も言えなくなってしまう。
「俺もやる。」
「…えっ…?」
―ガタ、ガタッ、
そう呟くと佐伯くんは掃除道具がしまわれているロッカーへと移動し、一本の箒を取り出した。
「いつも見てるばっかだしな、」
「…―――!!」
笑った顔、初めて見た。
***
「もう終わりでいいよな?」
「……う、うんっ…」
―ガタガタ、
綺麗になった教室の床を一度眺め、佐伯くんはロッカーへと僕の分の箒も持ってしまいに行った。
「………――ッ、さっ、佐伯くんッ!」
「……何?」
「あ、の………ありがとう。…この前も、助けてくれてありがとうっ、ずっと御礼、言えなくてごめん、」
最後の方は下を向いてしまったし、声も小さくなってしまったけど、ちゃんと伝えられた。
伝わった…かな?
――ギュッ!!!
「……そんなの、当たり前だろ、」
佐伯くんのちょっと熱く掠れた声が耳元で響く。
あ、これ……
この前と同じだ。
ていう事は僕、今抱きしめられて……るの?
「水瀬は誰にも傷つけさせねぇ。」
「……さえき、くん…」
より一層佐伯くんの腕が僕を抱きしめる力を強くした刹那、本当に小さな声で佐伯くんが呟いた。
「なぁ水瀬、お前にとって俺の存在は大きい?」
…―前よりは意識してくれるようになった?
…―前よりは見ててくれてる?
…―俺にとって水瀬の存在は、そこら辺の酸素よりも大事。
*end*
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拍手ありがとうございますっ(^O^)/!!
"不良×虐められっ子"第二弾です☆
リクエストありがとうございますm(__)m
なんか佐伯くんが恥ずかしい人になってきている…(笑)
もっとクールなキャラだったはずなのにw
前回は暗かったので、今回はちょっと甘く?してみました!
楽しんでいただけたら光栄ですm(__)m
蜜玲
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