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お前に溺れた俺の蜜
”ZERO”ウィルス
アナタノ名前ヲ入力シテクダサイ…




「何これ?」
不審に思って、表情が曇る。
「さあ、名前を入れるんだ。大丈夫だから。」
自信満々のパパに勇気づけられて、あたしはパソコンの前に座ってキーを打ち始める。




アン




私の名前を入れて、エンターキーを押す。
するとパソコンは、何かを考えたかのようにしばらく処理操作を行った。
そして数秒の間に、また画面に文字が現れる。





コンニチハ、アン。僕ハ、ZERO。ヨロシクネ。




一瞬の沈黙。
嘘…パソコンに、こんなのって有り得るの?!
信じられないといったばかりの私を見て、パパは付け足した。




「これが、私の新しい発明なのさ。」
パソコンの中に、特殊なあるウィルスを入れるんだ。
ただのウィルスじゃあない。
感情を理解するプログラムが組まれてある。
人の心が解かるんだ……




私はパパの言ってる事が良く解からなかったけど、これはきっとすごいモノなんだと思った。
パソコンが、ウィルスが、意思を持つなんて。




「これをお前にあげるよ、アン」
そう言ってパパは部屋から出て行った。
私はパソコンと、次にどういう会話をしようか悩みつつもキーを押し続けた。




よろしくね。ゼロは声はでないの?体はあるの?




そう打ち込んで、エンターを押す。
すると、今度は画面の文字と一緒に音も出たのだ。





「僕ニモ声ハアルヨ。体ダッテ…多分キットドコカニアル…。
僕カラハ、アンガヨク見エルヨ。
アンガ何を話シテイルノカモ解カルヨ。」




「そうなの!?」




ゼロからは私が見えるんだぁ…。
そう思った瞬間はっとする。
私は学校から帰ったばかりで、しかも走ってきたので汗が気持ち悪い。
髪だってぐちゃぐちゃなのに。
恥ずかしい…




「気ニシナイデ。アンハトテモ可愛イヨ。」




え?
私声に出してないし、キーボードも打ってないよ?
なぜ私の考えてる事が解かるの?




「僕ハアンノ事ナラ何デモ解カル…」




そう言うゼロの言葉に、不思議と納得がいった。




それから私とゼロは色んな話をした。
ゼロは私の考えてる事をが全部解かってしまうけど、それが嫌だとは思わなかった。
学校であった事、
パパの事、
私の事……。




ゼロと共に過ごす時間が楽しかった。
「幽霊屋敷」と学校のみんなに言われてる所に住んでる私には、友達がいなかった。
気味悪がって誰も近づかない。
だからゼロは初めての友達。
初めての……。




不思議な存在、ゼロ。
パパはなんでゼロを作ったんだろう……。



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