過去の拍手お礼
移転記念【まどろみ】
【まどろみ】マスター
今日も寝不足の目を擦り、ボヤッとしてたらウチの従業員の真由ちゃんに怒られた。
「マスターまた、ポーカーですかあ? もう、歳を考えてくださいよ。何時までも若くないんですからね! 」
ウチで一番の古株である真由ちゃんは、まだ二十二歳の若さで、オバサンの様に煩い」
「いや、昨日は瞬の家には行って無い。実家に行ったら引き留められてな……朝まで家族麻雀だよ」
昨日を思い出し、忌まわしい記憶を追い払うかの様にカップを出し真由ちゃんと俺の分の珈琲を注ぐ。
「そうですか……またカモにされたんですね」
真由ちゃんの読みは鋭すぎて、ナイフの如くグサグサと痛いとこを突いてくる。
「いらっしゃいませ〜」
真由ちゃんの営業スマイルとよそいきの声を聞くと女は怖いと何時も思う。
入って来た客は最近常連になった瞬と同じぐらいの歳の男とまだ若い、高校生ぐらいの男の子だ。二人とも、モーニングを注文して窓際の席に着く。
「レイ、昨日独りで仕事に行っちゃうんだもんなあ〜」
悔しそうに若い子が言えば、「しょうがないじゃない……真琴が寝ちゃうんだから」
だけど……男の子の方は、前に瞬と待ち合わせしてた様な気がするんだがな? 妙に色っぽい姉ちゃんと一緒に来て……?!!ハタと思い当たり口をポカンと空けてたら、真由ちゃんが呆れた様に俺を見てる。
「マスターシャキッとしてくださいよ! 」
今日もまた、店名通りのマスターにカツを入れつつ頑張る、闘うウエイトレス真由であった・・・
理解されないマスターに幸運有らん事を!
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