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移転記念【赤月慶吾】
①赤月慶吾の華麗なるオペ
「では、諸君此れから、胃癌の切除を行う……」
スタッフは万全の体勢でオペへと臨んだ。外科部長の是清の指示のもと、オペは順調に終わるかに思えた。
ところが、いきなり手術道具を横倒しにしてぶっ倒れた研修医が居た。言わずと知れた赤月慶吾である・・・
「まあ、若先生大丈夫ですか？」
若先生―慶吾は実は外科を目指しているのに、血が苦手である。周りには周知の事実だが、如何せん病院長の息子、知ってるけど、知らん振りしてるのである。
「わはは、昨日は飲みすぎたかな？ ちょっと眩暈がする。今日は此れで失礼しますよ、是清部長」
そう言うと、帰る時だけ颯爽と退場したのであった・・・
「慶吾くんもいい加減に気付いてくれないかな……外科医は無理だと云う事に・・・」
「まあ、是清部長！ そんな事有りませんわ！ 若先生は立派な外科のルーキーですわよ！ 」
なまじ、跡取り息子で尚且つ顔も良いものだから、人気はうなぎ登りの若先生の面倒を見なければならない、是清は溜め息を着き手術の続きをすべく、もう一度最初から始めたのだった・・・
是清部長に幸あれ！
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