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6000H【僕探偵】

@【僕探偵】始VS明日香

 始&明日香 小学3年の春

「あすかちゃんは、大きくなったら何になるの?」

 隣の家の子の、はじめが聞いてきた。
 わたしは「なんではじめに教えなきゃいけないのよ!」と言い返した。

 はじめは泣きそうな顔になって「だって……」と言ったきり、下を向いて黙ってしまう。

 それが余計苛々して、はじめをイジメたくなる。

 大体、男のクセに可愛いのが許せない。
 それに――わたしに限らず誰にでも優しいからムカつく。

 探しても欠点ひとつ無いこの幼馴染みを、イジメる事しか出来ない、わたしにも腹が立つ。

「はじめ! あんたなんか大っ嫌いよ!」

 泣き出してしまった、はじめを残し、わたしは家へ帰って行った。

 家の中に入った、わたしは何だか悲しくなって、ワンワン泣き出した。

「あすかちゃん。泣かないで……」

 わたしの、背中を撫でながら、はじめは優しく言ってくれる。

「ぼくはね、大きくなったら、あすかちゃんとけっこんするんだ〜」

 わたしは頷きながら、ただ泣く事しか出来なかった――

    ∽∽∽∽

 ――現在――

「はじめ! あんたねぇ……」

 何年たっても相も変わらず私は、はじめをイジメている。

 でも、はじめだって成長してるし、私に言われて泣く事もなくなった。

「うるさいなぁ、明日香は」

 ほら、口答えだってするんだから……


 だから、最近思う訳よ。





 今でも、私とけっこんしたいなら――






 それも、良いかなって……

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