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移転記念【月杯】
B月夜に乾杯
――満月の夜――
銀色の姿で風を切り野山を走る俺――狼の姿で居る時が本当の自分だと思える瞬間だ……
なのに何故、背中に荷物を載せて走らなければ成らない?
「う〜ん、楽チン楽チン〜一狼、振り落とさないでよ」
そう……夜では無いと活動出来ない奴らが居るために、夜桜の下花見をしようとなった迄は良しとしよう――
しかし! たまたま満月の夜だからって何故俺が、荷物持ち&かんなを背中に載せて走らなければいけないんだ?
「かんな……あんまり調子に乗ると一狼さんがキレますよ……」
雪彦が勘の良さを発揮してかんなに云うも。
「え〜〜っ、何か言った? 」
風切って走ってる状態では聞き取れ無いらしい……
上空では、夜桜見物に出る元凶達が呑気にフワフワと漂ってるし、後ろでは、ソワソワと心配してる雪男――段々腹が立って来た俺は、かんなを振り落とすべくフルスピードで走り出した・・・
「やっぱり桜は夜が綺麗よね」
満開の桜の下で雪彦の弁当を食べ酒を飲む……いつの間にか苛々もどこかに行き花見を楽しむ皆。
モンスター達に乾杯!
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