[通常モード] [URL送信]



*年齢設定は若干高め
二十歳くらいです



あの人を動かす力は
いったい何なんだろう

何のためにそんなに
必死に動いているの?

私だってアナタを動かす
力になりたい…



〜魔法の言葉〜




「シカマルさん、今すぐ
暗号班に来て下さい」

久しぶりに空き時間が
出来たので、
顔だけでも見ようと
思っていたのに…

私の些細な楽しみは
メガネをかけた彼女の
一言でいとも簡単に
崩れ去った。

「資料はそろっているのか、
シホ」

極めつけは彼のこの一言。

触れようと手を伸ばした
扉が開け放たれ、
彼と彼女が勢いよく飛び出す。

「おぅっ」

隠れる間もなかった私に、
彼は短い言葉をかけた。

私もぎこちなく笑って
手をあげる。

今日も名前さえ呼んで
もらえなかった、

最近の彼は忙しい。
元々能力を買われていた上に
上忍に就任してからの
忙しさと言ったら、
寝る間もないほどで。

それでも彼は文句も言わず
あくせく働いている。

以前なら、間違いなく
めんどくせぇ
の一言で片付けていたのに。

そんな彼を周りの女性が
ほっておくはずもなく。

今のシホさんなんて、
まだ可愛い方だ。

今では彼に近づいて
玉の輿に乗ろうとしている
不届き者さえいる始末。

普段から女性に対して
警戒心の薄い彼が
頻繁にそういう人たちと
会話を交わしている姿を
目にする度に、
私の胸や胃はムカムカする
ばかり。

「まったく、好かれてる
のに気づきなさいよね!」

私は傍の柱にムカムカを
押しつけた。

ドゴンっ

低くて鈍い悲鳴をあげて、
柱に拳一つぶんの穴が開く。

ごめんね、

心の中で懺悔して、
思わず泣きたくなった。

この穴は私の心だ。
そして開けたのは自分の
醜い嫉妬心。

彼氏だからと言って、
すべてが自分のものになる
わけでもないのに、

彼が話しかける対象者
すべてが
無地の空間に紛れ込んで
しまった水玉模様のように
目障りだった。

それだけではなかった。
彼の他人に対する私の
評価が気に食わない。

私はつい先日偶然耳にした
会話を思い出して、
ギリと奥歯を鳴らす。

「たまに一緒にいる女性は
彼女さんですか?」





[次へ#]

1/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!